【3/3】社長のための利益とお金と成長を手に入れる考え方
~経営戦略を持つ~
前回は、会社を存続、成長するために必要なことの、「①正しい経営をする」、「②税金を納める」についてお話しましたが、最終回の今回は、「③経営戦略を持つ」ことについて考えてみたいと思います。
中小企業が、存続し成長していくためには、手法やテクニックよりもはるかに重要なことがあります。
それは、経営者が経営計画と経営戦略を策定する ことです。
経営戦略とは、「顧客や製商品、事業をどう定義づけ、競合との戦いにどのようにして勝つか」のことです。
「戦いに勝つ」というのは、すなわち、短期的には、利益計画の達成のことを指し、中長期的には、存続成長する
ことです。実は、資金繰りよりも、これが企業の運命を決めるのです。
経営戦略を明確にする手順は下記のとおりです。
手順① 経営環境(外部環境・内部環境)を把握する<過去~現在>
手順② 事業分野を定義する
手順③ 経営環境に適応する → 成功要因を手に入れる
※成功要因とは「KFS(Key Factor for Success)」ともいい、存続成長するための最も重要なカギ、要因のことです。
この成功要因を明らかにするのが経営戦略を立てる最も重要な目的です。いつまで経っても資金繰りが苦しいのは、目の前の売上や利益だけを追い求めているからで、この成功要因を手に入れることをしていないからです。
経営環境は、常に大きく変化していることから、企業には現状維持ということはあり得ません。
この先、成長するか、後退するかのどちらかです。このときに重要なことが、成功要因なのです。
この成功要因を明らかにする際に、大事なことは、「あなたの会社の本当の商品は何なのか」ということです。
(詳しくは、「今と未来の利益を増やす 社長のための経営戦略の本」に書いていますので、是非興味のある人はお読みください。)
例えば、子供服を販売している会社の場合、商品は子供服です。
しかし、子供服はどこでも手に入れることができます。小売店、百貨店、通販など。これでは差別化は価格になってしまいます。ところが、本当の商品を、「子供の服を通じて、お客様が子供の成長を感じてもらうことだ」と考えた場合、この小売店の売り方やサービス提供が変わる可能性があるのです。子供は年々大きくなり、今までの服はすぐに着ることができなくなります。となると少しでも安い服をと考えるのは至極当然のことです。
子供服の小売店は、新品の商品だけでなく、当店で買っていただいた方の着られなくなった服をリサイクルすると考え、買取サービスを始め、リサイクル子供服として販売する。あるいは海外にむけて輸出するなど、新たなことを考える幅が広がるのです。
リサイクルをすると、今の新品の服が売れなくなるだろうと考えるかもしれません。
確かに、そうなる可能性はあります。しかし、この小売店だけで販売している商品を買い取ることから、リサイクル商品の品揃えは、それほど多くならず、手に入らない商品はやはり「新品を買おう」と考える人も少なくありません。リサイクルを買いに来たついでに、あるいは逆の新品を買いに来たついでに、もう一方を買ってくれる顧客もいるはずです。
あくまでもこれは、本当の商品をどう考えるかの例です。
大事なことはあなたの事業での本当の商品は何なのかを考え、他の会社と大きく差別化し、さらに顧客の役に立つことです。
「我が社は何業か」と自社の事業分野を定義するときには、
顧客を求めていることを考え、それを提供できる存在になろうと努力する ことがとても大切なのです
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