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Inbound-Outbound Ring ~インバウンドとアウトバウンドの好循環の仕組みづくり~

SPECIAL

東南アジア進出コンサルタント

KJグローカル経営事務所

代表 

国内企業向けの、東南アジア市場進出の戦略・実務コンサルタント。大学卒業後20年以上の間、メーカー・商社・公的機関にて海外ビジネス(主に東南アジア・中国)に従事。東南アジア市場におけるマーケティング・拡販業務を成し遂げた後、大手自動車関連メーカーにて同社中国初の販売会社(ディストリビュータ)を立ち上げ、人事・財務・企画等の管理部門の統括などを歴任。その後、食品/アルコール・伝統工芸品・医薬品/医療機器など多岐に亘る業種のアジア市場開拓支援を経て、2018年にKJグローカル経営事務所を設立。現在同社代表。

攻めと守りは「一体性」を保たなければならない... 2023年春先以降、本格的に外国人観光客が戻ってきました。この6月、7月は単月で200万人を超え、7月末時点での外国人入国者数は1300万人(1~7月)に達しています。さらに、8月10日からは近隣国である中国が団体旅行を新たに解禁。今後ますます外国人観光客の入国が増えると推測できます。

コロナ禍の間、「ヒト」の移動は制限されていましたので、「モノ・サービス」の移動(輸出や提携)を積極的に実施された企業が多くありました。しかしながら、外国人観光客の入国者が急増しつつある現在、「インバウンドビジネス」のみに再び特化する企業が出てきています。

それらの企業経営者に対して申しあげているのは「コロナ禍の教訓を活かさなければいけない!」ということです。今回は外部環境に影響され難いアフターコロナのビジネスモデル【Inbound-Outbound Ring(インバウンドとアウトバウンドの好循環の仕組みづくり)】について解説します。

Inbound-Outbound Ringについて戦略を練る際、最も重要なのは「時系列的に3段階に分類して考えること」です。まずは「①旅行前」。ポイントは、外国人観光客に自社の店舗や製品について事前に認識してもらうことです。その方法の1つとして、海外の旅行会社等とのパートナーシップ(提携)があります。その実現のためには、自社についてPRできる資料や動画を充実させ、パートナー企業を本気にさせる仕掛けが必要になってきます。

次に2つ目は「②旅行中」。ポイントは、入国した外国人観光客に必ず貴社(店舗等)に足を運ばせることです。そのためには、貴社でしかできない貴重な体験を提供しなければいけません。

最後に3つ目は「③旅行後」です。旅行中に接触できた外国人観光客との関係を継続的に保持することが重要です。そのためには、接触時に顧客情報を取得したり、帰国後も外国人観光客が貴社製品を購入できる仕組みを作らなければいけません。ネット(越境EC等)での販売だけではなく、海外でもリピート購入ができる現地の小売店/販売店と提携できれば効果的です。

このように、インバウンドビジネスの拡販策を練る際にも「アウトバウンド(輸出や提携)」について同時に考えなければなりません。すなわち、(「②旅行中」だけではなく)「①旅行前」や「③旅行後」も含めた効果的なループの構築には、現地のパートナー企業との協業が必要なのです。

最近、当事務所には「Inbound-Outbound Ring(インバウンドとアウトバウンドの好循環の仕組みづくり)」についてのご相談が増加しています。攻め(輸出や提携)と守り(インバウンドビジネス)を一体化したInbound-Outbound Ringの構築。ライバルがまだ動いていない「今」が、それを始める好機なのです。インバウンドビジネスによる売上増加を「一過性」のものにするのではなく、外部環境に影響されない「強靭な経営の仕組みづくり」に一緒に取り組みませんか?

 

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