「その手があったか!」社長の手の届かない所からも、結果をもぎ取ってこれる仲間がポンポンうまれていく企業の目の付け処とは?
「君達はただの会社員やアルバイトなんかじゃない」
「私の大切な仲間なんだぞ!」
聴いている人達の心を揺さぶる熱いメッセージを発する社長。さぞ会社もバンバン成長しているに違いないと思いきや、業績はそれほどでもなく、ライバル企業とは抜きつ抜かれつの繰り返し。
何故なのか?
会社のマネジメント面に注目してみますと
「あれ?」
一体、社長がおっしゃってた「君達は私の大切な仲間なんだ」という想いはどこに活かされているのか?・・・
あまりの乖離っぷりに思わず「私がただ単に見逃してしまったか?」と何度も確認してしまうほど。
しかしいくら探してみても、そんな要素はどこにも表れていない・・・
そんな社長が抱いている社員とスタッフとの距離感と、社内のマネジメント面が全くかみ合っていないケースがあります。
会社としては、何とか社長の「あなた達(社員やスタッフ)は社長にとって大切な仲間なんだぞ!」という熱い想いを伝えたい。どうしたらうまく伝わるのか?
「完璧に実現しました!」とはなってないものの「日々模索中なんです」と悪戦苦闘しているのはまだ良い方なのですが、残念なのはその真逆の「どうしたら伝わるのか?」と「動こう」というよりも「いつになったら君達は分かってくれるんだ?」という「待ち」の企業が多い事です。
これは非常に勿体ないことです。
何故なら、人が底知れぬパワーを生み出し続けたくなる条件の1つに「『私はリーダーに必要とされてるんだ』という自覚がある」だからです。
社長の熱い想いの「君達は私の大切な仲間なんだ」をどう伝えるべきか?
実はこれを簡単に伝えられて、業績に結び付けられやすい企業があります。
それは「少数精鋭」で構成されている企業です。
その強みは組織のトップとメンバーが、お互いに勤務場所も、勤務時間も、勤務曜日も常に一緒という点です。これほど大きなアドバンテージはありません。
例えばメンバーに異変があっても
「おや? 〇〇さんが元気ないぞ?」
社長は察知しやすく、その後は
「どうした? 何かつまづいているのか?」
「なるほど、そういうことか・・・」
「よし、今日は一緒に呑みにいこうか!」
など、寄り添ってあげやすい環境だからです。
しかし会社の規模が大きかったり、働く人達が多い、現場仕事が多い、事業所がいくつもある、主力事業がチェーンビジネスだ、という企業だとそう簡単ではありません。
リーダーとメンバーの勤務場所が別だったり、昼から働く人もいれば、夜からの人もいますし、店舗がお客様の利便性に合わせて営業時間を長くしていたり「店休日なんてほとんどありませんよ」となっていますとシフト制の勤務となり、勤務曜日もそれぞれ違ってくるからです。
よって、いちいちリーダーが「どうした? 元気無いな?」など「自ら動いて解決に励もう!」としていては、いくら時間やお金があっても足りません。
いずれ「メンバーの面倒ばかり見ているリーダー自身が先に倒れてしまった!」など本末転倒の事態となってしまうことでしょう。
リーダーが常に傍に居られないのであれば、社長の想い「君達は私の大切な仲間なんだ」を伝える為に工夫が必要となってきます。
その工夫は色々挙げられると思いますが、弊社がお薦めしているのは社員、スタッフが日々こなしている1つ1つの業務、ルーティン自体を社長自らが設計されることです。
その理由は、設計するというアクションには、その人の想いを盛り込めるというメリットがあるからです。
弊社のコンサルティングサービスがマネジメントの仕組みづくり代行ではなく、お手伝いとなっているのもその為です。
サラっとご紹介しましたが、これは簡単な事ではありません。
とても1日や1週間程度で、できる事ではないからです。
もしかしたら
「そんなヒマなんか無いよ!」
とご指摘をいただくでしょう。
しかしここで1つ疑問が生まれます。
御社の1つ1つの業務。
それを設計、確立したのが現社長ではないとしたら、
一体誰が、どういう想いを込めて創ったものなのでしょうか?
世の中に存在する創造物は、作り手の想いが込められています。
「利用する人は安全であって欲しい」と願う自動車メーカーが作った車は、材料に至るまで危険な要素は徹底的に排除していますし、「ほんの少しでも時間があったなら人と人とがつながって欲しい」と願うSNSは複雑ながらもいかにシンプルに操作できるか?に工夫を重ねています。
作り手は、自らの意志に反する要素を取り入れることを嫌います。
「楽だから」「安いから」「時間を掛けたくないから」などと妥協したり「誰かがつくったものに手を加えていけばいいや」などの行為は、異物を取り入れてしまう事と同じで、そこから崩壊が始まっていくとわかっているからです。
日々会社で奮闘している社員やスタッフが行っている業務、ルーティンもまた目に見えないとしても創造物です。必ず「誰か」が設計したもので、その設計者の意志もまた込めらているものなのです。
さて、問題なのは「その人物の想い」とはどんな想いだったのか?
ここでコラムをご覧の貴方に質問です。
「お前なんか会社に要らないんだよ」
「代わりなんかいくらでもいるんだから」
これらのセリフを見てどう思いますか?
おそらく若い方は「なんて酷い言葉なんだ」と感じることでしょう。
しかし、30年前の日本社会を経験してきた方にはこう感じる方もいらっしゃることでしょう。「昔はそれが普通だったよね」と。
当時は高度経済成長の時代で、一たび求人広告を出せば電話が鳴りやまず、国民が目にするTVCMには「24時間働けますか?」というフレーズが当たり前のように流されていた時代でした。
「君達なんか、ただのいち労働者にすぎない」
「これができないなら辞めてもいいんですよ?」
「だって代わりなんていくらでもいるんだから」
人を採っては切って捨てて、という厳しいマネジメントを確立し、貫いていた企業ほど勝ち残っていけた時代だったのです。
さてここで勘の鋭い方の中には「ゾッ」とした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今社内で繰り返されている業務の1つ1つが「こうあるべきだ」と生み出したのが「現社長自ら」ではないとしたら誰が生み出したものなのでしょうか?
もしかしたら「人を採っては切っては捨てて、が当たり前の時代を生き抜いていた人」が生み出したものではないですか?
そしてそれをベースにしたまま、日々会社のマネジメントを行っていませんか?
今、会社を支えてもらいたい若い人達が向ける「企業のマネジメント面への目」は非常に鋭く、敏感です。
自分が嫌う「おかしな要素」が少しでも含まれていますと「この会社は違うな」と選択肢から除外され、また選択肢に入れてもらえることはとても困難です。
しかし、逆にそんな要素は一切なく「働きやすさ」を感じるとドンドン集まってきてくれます。
更に「もしかしたら私って、社長にとっての大切な仲間なのでは?」と感じてくれていますと大きな成果を出し続けられるようになります。
そんな人ばかりに囲まれた社長の日々はこうなります。
「君は一体どこからそんな宝を見つけてこれたの?」
「え? そんなところに埋まってたの? うわ~・・・全然気が付かなかった」
「なるほど、そうやって探り当てたのか~ さすがだね●●さんは!」
社長一人では手が届かない範疇外、領域外からもドカドカと宝をかき集めて来てくれる優秀な人達だらけの会社となっていくのです。
御社ではそんな大切な仲間は生まれ続けているでしょうか?
それとも仲間どころか「私なんか代えが効くいち労働者なんだ」「私は社長にとってのただのコマだ」「私は会社の歯車にすぎないんだ」などと、社長の思惑と反して、勝手に悪い方向に捉えられてしまう職場のままになっていませんか?
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