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経営者は時代遅れのマネジメントを捨て去れ!

SPECIAL

銀行活用で新規開拓コンサルタント

株式会社結コンサルティング

代表取締役 

銀行活用で新規開拓の仕組みづくりを行うスペシャリスト。31年間の銀行員経験で、法人4,000社以上を担当、審査部担当者としての企業審査は1,000社超の実績を誇る金融のプロフェショナル。
売上が倍増した雑貨メーカー、バックメーカー、新事業を立ち上げた化粧品メーカー、更には海外進出に成功した事例など、累計で100社以上の会社を成功に導いた実績を持つ。

「今まで、トップダウンで目標を達成してきたのですが、世の中的にトップダウンが難しくなってきているように感じています。少し行き過ぎると、●●●ハラスメントになってしまいますし・・・若い社員がすぐに辞めていってしまうのです・・・どのようにマネジメントしていけばいいのか、わからなくなってしまいました。」──とあるサービス業の社長からのご相談です。

一昔前であれば当然であったトップダウンによる命令・指揮系統が機能しなくなり、このようなご相談を受けることが増えてきました。

【マネジメントについて】

<従来型のマネジメント(産業革命後)>

これまでのように、産業革命後の大量生産・大量消費の時代であれば、プロダクトアウトのマーケティングで、人的資源や物的資源を効率的に統制・活用するために、「管理する組織(経営層が計画し、管理し、統制する組織)」で具体的な目的を設定し、目的を達成するための戦略や計画を策定し、実行することが求められてきました。

そのために、経営者は必要となる人的資源や物的資源を配置し、トップダウンの組織を構築するとともに、組織のメンバーを指導し、モチベーションを高めなければなりません。さらに、目的達成の進捗状況を定期的に確認し、必要であれば戦略や計画を修正するのです。

従来型のマネジメントモデルは、従業員を「(経営層が)自分の思い通り」に動かすことがテーマでした。このことにより、計画的・効率的に大量生産をすることで、莫大な利益を得ることができたのです。

<未来型のマネジメント(情報革命後)>

現代では、商品やサービスが溢れ、広告が溢れ、情報が溢れおり、情報革命後はプロダクトアウトではなく、多品種少量生産・パーソナライズ化された消費の時代となってきています。

従来のような大量生産・大量消費をしてしまうと、商品・サービスが大量に残ってしまう可能性もあり、従来よりもマーケットインのマーケティングが重視される傾向があります。

従来のように「作ったら売れる」、「作ってから売り方を考える」という大量生産・大量消費を前提にするのではなく、ビッグデータを活用することなどで一人ひとりの興味・関心や行動に合わせて、商品やサービスを最適化していかなければならなくなりました。

また、全く新しい斬新な商品やサービスで消費を惹起することも必要となってきます。このため、従来のように顕在化した顧客ニーズではなく、潜在的な顧客ニースを顕在化させるような商品やサービスを開発していくことで、新たなマーケットを開拓していくのです。

このため、未来型のマネジメントモデルは、従業員の「やる気に満ちる場をつくる」ために「自走する組織(従業員が自ら考え、対話し、行動する組織)」づくりがテーマとなってくるのです。従来のトップダウンの「管理する組織」では従業員が自由な発想ができないので、従業員の知的労働生産性の向上は望めません。「自走する組織づくり」の前提として、「心理的安全性」が確保されなければ、従業員の「やる気に満ちる場をつくる」ことができないのです。

「心理的安全性」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。

この「心理的安全性」の有用性の検証については、Google社が2012~2015年までの4年間に行った生産性向上のためのプロジェクト「プロジェクトアリストテレス」が有名です。このプロジェクトの研究成果で、チームや組織の生産性向上には心理的安全性が重要であるということが結論付けられたことにより、世界中の企業が心理的安全性に注目するようになりました。

また、ピーター・ドラッカーも、「ポスト資本主義社会」で、次のように言っています。

「20世紀の企業における最も勝ちある資産は生産設備だった。他方、21世紀の組織における最も価値のある資産は、知識労働者であり、彼らの生産性である。」

 「20世紀の偉業は、製造業における肉体労働の生産性を50倍に上げたことである。続く21世紀に期待される偉業は、知識労働の生産性を、同じように大幅に上げることである。」

【マーケティングについて】

商品やサービスの開発手法には、プロダクトアウト(自社の強みや技術・ノウハウなど活用して商品やサービスを開発する)とマーケットイン(顧客ニーズを起点に商品やサービスを開発する)の2種類があります。

<プロダクトアウト>

プロダクトアウトとは、自社の強みや技術・ノウハウなどを活かした商品やサービスを開発する手法です。

「作り手が良いと思ったものを作る」

「良い商品を作れば売れる」

このように商品やサービスを提供する企業側が主体となる考え方です。

プロダクトアウトの手法で商品開発をすると、企業や担当者の意向が大きく反映された商品やサービスが作られます。

<プロダクトアウトのメリット>

①自社の強みや技術・ノウハウを活用できる

プロダクトアウトでは、自社の持っている強みや技術・ノウハウを活かした商品・サービスの開発が可能であり、自社の持っている技術などを最大限に活用することで、競合他社には真似できない商品・サービスを作ることが可能となります。独自性の強いものであれば、一気にマーケットシェアを獲得し、売上・利益を伸ばすことができます。

②革新的な商品・サービスを生み出すことができる

プロダクトアウトでは、自社の強みや技術・ノウハウなどを起点に商品開発に取り組むため、これまでの市場にないような革新的な商品を生み出すことができます。顧客でさえも気付いていない「潜在的なニーズ」を満たす商品・サービスを開発することができれば、爆発的なヒット商品になることもあるのです。

③商品・サービスの開発コストを抑えられる

プロダクトアウトでは、自社が保有する技術や生産設備・ノウハウ、有能で経験値の高い人材などを活用することで、商品開発のコストを抑えることもできます。プロダクトアウトでの商品開発であれば、新しい設備の導入や人材増員といった追加コストを抑える形で行うこともできるのです。

<プロダクトアウトのデメリット>

①商品を作っても思っているように売れないことがある

プロダクトアウトでは自社の意向をベースに商品開発をするため、リリースするまで顧客の反応が分かりません。顧客ニーズと大きくズレてしまうと、自社で良いと考えて作った商品でも顧客に購入してもらえず、売上が減少することもあります。開発した商品やサービスが売れなければ、在庫を抱えて赤字となるリスクがあるのです。

②売れなければ商品の改善や戦略の見直しが必要

商品やサービスの売り上げが伸びなかった場合は、なぜ売れなかったのかという理由を見つけて、検証しなくてはなりません。

「そもそも顧客ニーズに合わなかったのか」

「商品やサービスの機能が悪いのか」

「プロモーション方法が間違っていたのか」

これらを1つずつ見直すための市場調査や商品やサービスの改善には、多額のコストと時間がかかります。

マーケットインではあらかじめ顧客ニーズなどを調査しておくので、売り上げ予想との大幅なズレは生まれにくいのですが、プロダクトアウトの場合はそうではないケースもあるのです。

想定外の結果が出てしまったとき、軌道修正するためには時間も費用もかかります。商品やサービスをリリースしたあとも、さまざまな費用が発生する可能性があることを認識しておかなければなりません。

<マーケットイン>

マーケットインとは、顧客のニーズに合わせた商品やサービスを開発することです。

事前に市場調査などを行い、顧客ニーズを把握してから商品やサービスの開発をはじめます。

「顧客が望むものを作る」

「売れるものだけを作り、提供する」

企業が作りたいものではなく、顧客が求めているものを作るという考え方が基本となります。

<マーケットインのメリット>

①顧客ニーズを満たした商品やサービスを提供できる

マーケットインの手法では、顧客のニーズを調査してから開発するので、顧客ニーズにマッチした商品やサービスをつくることができます

顧客のニーズを満たすことで、顧客増強や購買頻度の向上効果も期待できます。

また、顧客第一主義の企業スタンスを打ち出せるので、会社のイメージアップやブランディングにつなげることも可能となります。

②商品・サービスを効率よく作れる

マーケットインでは、顧客のニーズ調査結果をもとに商品やサービスの開発をするため、自社が行わなければならない対応や商品やサービスの開発目標が明確になります。

対応や開発目標が明確になることで、必要なものだけに資金を投入できるので、余計なコストをかけずに効率よく商品やサービスの開発を行うことができます。

③売上などの予測を立てやすい

顧客ニーズを把握してから商品を開発するため、ある程度の売上予測が立てられるので、開発コストや販売後に使える販促や広告の予算計画なども立てやすくなります。

全体的な収支シミュレーションがやりやすいために、計画的な商品開発が行えます。

<マーケットインのデメリット>

①「インパクトのある」商品は生み出しにくい

マーケットインのデメリットとしては「顧客が想像できる範囲内の商品」だけしか、作り出せないことです。リサーチを行った上で作るため「こんな商品、今までに無かった!」と、インパクトのある商品やサービスにはなりにくいのです。

また、顧客ニーズをベースに商品開発を行うので、自社ブランドのイメージと乖離した商品やサービスを作ることになる場合もあります。

②競合他社が類似の商品を開発する可能性がある

マーケットインでの商品やサービスの開発は独自性を生み出しにくいものです。

顕在化しているニーズはある程度同じようなものになるので、独自の技術やノウハウがないと開発される商品やサービスも類似してしまうのです。

マーケットインで独自性を出すためには、自社独自の技術やノウハウを盛り込んで、細やかなニーズ調査が鍵となります。

【まとめ】

従来型のトップダウンによる「管理する組織(経営層が計画し、管理し、統制する組織)」は、産業革命後の工業社会におけるマネジメントであり、情報革命後の現代では機能しなくなってしまった。

情報革命後の現代では、心理的安全性を確保した上で、「自走する組織(従業員が自ら考え、対話し、行動する組織)」をつくらなければ、知的労働生産性は向上しない。

マーケティングについては、プロダクトアウト(自社の強みや技術・ノウハウなど活用して商品やサービスを開発する)とマーケットイン(顧客ニーズを起点に商品やサービスを開発する)があり、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自社にとって効果的な方法を導入していただきたい。

あなたは、社長としてどのようなマネジメントをされていますか?

時代遅れのマネジメントを捨て去り、心理的安全性を確保した上で、「自走する組織(従業員が自ら考え、対話し、行動する組織)」をつくることで、知的生産性を向上させて強くて儲かる会社にしていきましょう。

 

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