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なぜ遊んでる社長の会社はうまくいくのか?

SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所

代表取締役 

経営革新コンサルタント。イレギュラー対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特別ビジネス」をつくりあげる専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

「中川さん、やっぱり遊んでる社長ほど仕事もうまくいってません? 自分のまわりは遊んでるやつばっかですよ笑」― 長年関わらせていただいている社長とお昼にラーメンをすすっていた際に出た言葉です。

その社長ご自身もゴルフにサーフィンにスキーにと、とにかく活動的なのですが、遊び仲間の経営者たちもみんな儲かってるとのこと。

「儲かってるから遊ぶ余裕があるんだろ…」と思いがちですが、どうやらそうでもなさそうで、当社が関わらせていただいている「うまくいっている社長」には、昔から「遊びの達人」だった方が多いという傾向にあります。

この『遊び上手は経営上手』との仮説が成り立つとすると、その理由として大きく3つのことが挙げられるように思います。

まずひとつめの理由としては、「遊び上手は好奇心が旺盛」という点です。遊びというのは基本的に「自分が好きなこと」となります。これがたくさんある人というのは、いろんなことに興味や関心を持つことができる人です。

「これやりたい!」というアンテナを多方面に立てることができる人に共通するのは、自分のビジネスにおいても同様のアンテナを立てることができるということになります。

こういう方々は、業界や業種の異なる企業の成功例なども自分の事業のヒントにしたり、私どものような外部の人間のアイデアから発想を膨らましたりといったことが自然にできたりします。そして、新しい試みを「おもしろそうじゃん、やってみようよ」と言って着手するフットワークの軽さをお持ちです。

面白いことに、こういった「なんでもやっちゃう社長」には往々にして経営幹部に「冷静な右腕」がついていたりして、ちゃんとブレーキ役を果たしてくれたりするのですが…笑。

とにかく、遊びに没頭できる人は、仕事も遊びのように面白がって没頭できたり、柔軟に考えたりできる人が多いのです。

この点は非常に大事なポイントで、ビジネスだからといって力んでくそ真面目にやってしまったのでは視野が狭まり、柔軟性を欠いた事業運営になりがちです。いまのような経営環境がコロコロと変動する時代においては、経営をロジックだけで考えても限界があり、「これやりたい!」とか「これいいかも!」いった情動(衝動)を素直に拾うことが求められます。頭でっかちでは遊びもビジネスもうまくいかないということです。

そして、「遊び上手は経営上手」である2つめの理由として言えることは、彼らは「遊ぶ時間を確保するために職人社長から抜け出す」ということです。

(これは内緒の話だったかもしれませんが…)冒頭の社長は「俺はそもそも遊びたいからこの会社をつくったのに、仕事に追われて遊ぶ時間がまったくなくなってしまった」と言って、業務の仕組み化に本気で取り組まれました。いまでは会社には週に1、2度の出社で済んでいるとのこと。

同様に、遊び上手の社長には「自分の時間を確保したい」との動機から、自分がすべてやらなくてもいいように仕組みをつくる方が多いのです。

社長の仕事は考えることです。作業に没頭することではありません。最初の動機は「遊びたい!」というものだったとしても、作業地獄から抜け出すために組織が仕組みで業務を廻す体制をつくってしまえば、社長は事業戦略について考えをめぐらす時間をいつでも確保することができます。心に余裕を持つことができ、視界も広がるというものです。

そもそも、業務の仕組み化にはいい意味で「もっと楽できないか」とか「サボりを入れられないか」という発想が不可欠であり、ここも「遊び」と共通する考え方となります。非効率なやり方を「愚直」にやってしまっては駄目なのです。

そして遊び上手な社長がビジネスも成功させる3つ目の理由として注目すべき点は、彼らは「同様にうまくいっている経営者とのネットワークを持っている」ということです。

文字通り「類は友を呼ぶ」ということですが、遊びの達人はとにかく誘われます(笑)。それも「自分よりうまくいっている社長」に誘われることが多いんだとか…。
忙しく真面目に仕事をしている社長ほど、他の経営者とざっくばらんに意見交換をする機会が持てていなかったりしますが、遊びの達人の社長は業種や業界を超えた「儲かっている経営者」から情報を取ったり相談したりという機会が難なく持てるというわけです。

さらには、遊びを通じてお互いの信頼関係を築く中で、ビジネスパートナーとなったり、顧客を紹介してもらえたりといったこともよくあることです。掛け値なしに「共に成功しよう」と言い合える仲間の存在はかけがえのないものです。

『人生は誰と付き合うかで決まる』とよく言われますが、仕事も人生も楽しむ経営者と付き合う中で視野を広げ、自分の中の「常識」や「当たり前の基準」を壊すことができるということでしょう。かく言う私も数多くの「うまくいっている経営者」との楽しいお付き合いの中で、いろんな発想や刺激を受け取っています。

いま自社の事業が行き詰まっていると感じる社長は、「遊び」に限らず何か今までにない刺激を取り入れてみてはいかがでしょうか。同じものを見ていても、自身の視点が変わればまったく違うものに見えてくるものです。歴史的にみても「何かを終わらせ、始めるとき」という流れにある本年、あらためて自由な視点で事業を俯瞰し、ブレークスルーする突破口を見出していきましょう。

 

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