古いPCの継続利用は問題が多い!PC定期交換のススメ
先日セミナーに参加頂いた参加者さんから個別相談のご要望があり、女性経営者とお会いしました。会議室に入るなり、PCをバッグから取り出されたのですが、それが結構古く、心配していた通り色々な問題を抱えている様に見えたので、本題のついでに色々とアドバイスさせて頂きました。
そのPCはOSこそWindows10になっているものの、Windows7からアップデートされたもので、CPUはそこそこでしたがメモリーが少ない、ストレージが少ない状態でした。起動してみてもらいましたが、あまりにも遅く、数分はかかっています。快適にOSを動かすパワーが無いので、少し拝見しただけで以下の様な問題を指摘できました。
起動に時間がかかるため、シャットダウンせずいつもスリープで作業を終えている
その為、OSの定期アップデートが全くかかっていない
当然、OS標準のウィルス検出ツールもアップデートされていない
動作が遅いので、処理が終了する前にスリープに入れようとするなど、無理のある運用をしている
それによって、ファイルが論理的に破損しているものがあり、ゴミも溜まっている
これだけ見ても、非常に危険な状態であることをご理解頂けるかと思います。いつデータ破損するか、動かなくなるか、情報漏洩や毀損事故に巻き込まれるかわからない状況です。では、なぜこのような古いPCがいつまでも使われてしまうのでしょうか?その女性経営者も「古くてぼろい」とは認識されていましたが「危険」とは思っていらっしゃいませんでした。ぼろい程度であれば我慢して使う、と言う判断になると思いますが、危険となると判断は変わりますね。その経営者さんは、すぐに買い換えるとおっしゃってお帰りになりました。
実は中小企業のPC環境はどこも同じような状態にあり、特にセキュリティの面での大きな心配があります。そんなときは社長にその旨を指摘し、「古いPCを使い続けるのは危険だ」とアドバイスしているのですが、「危険」という認識を持たれている社長はほとんどいらっしゃいません。更に社長の多くは、「パソコンは5年償却だ」と誤解されていることも。(このコラムを書いている2020年11月現在、30万円未満のパソコンは中小企業の場合当年度償却が可能です。)
私は「店頭で安売りしているPCの寿命は通常3~4年。その間、OSの寿命(=再インストールが必要となる状態)が少なくとも1回は来る。」とご説明しています。店頭では通常、その時点で必要最低限の性能のハードウェアを安売りしています。購入した当初はそれでも全く構わないわけですが、2年、3年経過するとその間にOSの大きな更新が入ります。今までWindowsは大きな更新が入る度に徐々に巨大化し、それゆえにより高い性能を必要としてきました。その傾向が続く限り、大きな更新が入ると今までよりももっと高性能なハードウェアを必要とするわけです。
つまり、「PCは4年に一回順次買い換えるもの」と決めて予算化するべきなのです。更に、数年使っているとOSの動きが遅くなり、使用に耐えないほど遅くなることがあります。その場合はOSを再度インストールし直ししなければいけないわけですが、その際に業務を止めないためにも多少の予備機を計画的に保有しておく必要もあります。要するに、「多少利益が出るからPCを買い換えておこう」という考え方は、デジタル化時代には適合しないのです。また、古いものをいたわりながら使う、という考え方は日本人としては美徳ではありますが、これも時代に適合しないのです。
皆さんも、是非「古いPCはリスクを伴う」ことを認識頂き、買い換えサイクルを管理する、という考え方を採用し、データ毀損の危険性を小さくするようにして頂ければと思います。
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