「経営が立ち止まることによる、損失金額を算出してみてください。革新の実現で欠かせないこととは?」
「先生、コスト削減だけでは縮小均衡になってしまうので、Y社のように商品ボリュームで売上のとれる店にしたいんです」
とあるチェーンの経営陣からのご相談です。
――――おっしゃる通り首都圏中心に展開しているY社は、商品鮮度や売場づくりは目を見張るものがあります。
決算報告書を良く見ていただくと分かるように、Y社は、売上だけでなく、販売管理費の引き下げにも、力をいれていて、コスト削減にも動いてます。また、コロナ騒動を受け、チラシの訴求方法も見直されていますし、来店の平準化の取り組みもしていて、決して、商品鮮度と売場づくりだけではないということです。
国内チェーン業界では、特需から一転した客数減を受け、再び日替わりチラシを訴求するといった、後戻りするところも増えてきました。特需に合わせて採用した人件費を、下げる仕組みのない高コストから脱出するのは、これからが大事な時期ということになります。
一方で、こういった取り組みをすでにやっておられる企業のひとつであるT社は、人時売上高を見ると取り組み実施店と、未実施店では桁の違いの差が出ていて、導入店舗拡大へむけ新たな計画が始動しています。
なんといっても、これまでブラックボックスとなっていた、店舗作業が、本部と店舗の両方パソコンから、見えるので無駄のない指導がリアルタイムにできます。日々出てくる結果が変わってくることから、無理なく週次、月次、半期の結果を変えることが出来るのです。
それは、今まで個人裁量にゆだねられた、商品発注、品出し、売場展開等々が主流だったスパーマーケットチェーン業界のダブーとされてきたことですが、そこに踏み込むことで、T社の利益は桁違いに変わってきたのです。
こちらの企業も、もちろん最初から上手くいったわけではありませんでした。人時は出していたものの、そこから、儲からないやり方を見つけだすことは、容易なことではなかったからです。
「生産性を上げなければならないことはわかっていても、いざやるとなると、やることが多すぎて、すべて中途半端になってしまっている」という状況から二年以上経過して、社長自らがセミナーにお見えになり、僅か二週間後にプロジェクトはスタートしたのです。
なんでもそうですが、体系化された計画なしに、いきなり「カイゼン」をやろうとすると、こうした混乱を招くだけでなく、高コスト状態のまま、お金が垂れ流されていく事になります。年商10億のお店の人件費は1,2億で、仮にその10%がムダだとしたら、毎月100万円ものお金を失っている計算です。
批判を恐れず申し上げれば、何もされないことが、お金を失っている最大の原因になっているということです。先のT社の場合、既に生産性を上げるコツを掴んだことから、今は、顧客満足度を上げるレベル駒を進めていますが、意外なことに、低コストオペレーション化が進めば進むほど、社内は益々元気に明るくなっているということです。
理由は明解で、この業務改革に合わせ人時売上で結果を出すことが評価されるように、人事制度も同時刷新したからです。人時を通じて、会社が個人を尊重するようになったことで社員意識も大きく変わったのです。
詳しくは、セミナーでお話ししてますが、まずは、経営として構造改革の骨子を決め、立ち止まらず進めることが、企業飛躍の足がかりとなります。
頑張っていきましょう 応援しています。
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