「どんな開発をしたのですか?」設計生産企業と開発型企業での回答の違い
「先生、聞いてください。」
ある開発者から、開発に成功したという、うれしい知らせがありました。
本人もとてもうれしそうです。詳しく内容を聞いてみると、次第にこちらも楽しくなってきます。内容が非常に面白く、もっと聞きたくなり、聞いてみるとさらに興味がわき、どんどん話に引き込まれていきます。開発した商品に対するお客さんの反応も上々です。
こういうことがあるので、普段から開発内容を聞くのが大好きなのですが、一方で、開発内容を聞いても、全然興味がわかず、聞いている内に眠くなるようなケースがあります。そうならないように、どこか面白い所が無いかと色々聞いてみるのですが、返ってくるのは退屈な話ばかり。では売れ行きは?と聞くと、これも芳しくなく、本人も暗い表情を浮かべます。
いったい、両者の開発のどこが違うのでしょうか?
最も顕著な違いは、前者は、開発のストーリーが語られているのに対して、後者は、開発内容の単なる説明になっている点です。前者はストーリーになっているので、話に引き込まれます。一方、後者は、単なる説明なので退屈に聞こえてしまうのです。
どうしてこんな違いが生まれるのかと言うと、前者の開発には、開発者が聞いても無いのに自ら語りたくなるほどの 物語がある のに対して、後者には、そんな物語が無いためです。後者は、単に、「設計して試作して評価して商品にした。」それだけです。それだけなので、その説明にしかなりません。その説明は、ひどく静的で、退屈なものになってしまいます。
では、なぜ、前者の開発は、物語になるのでしょうか?
それは、開発に起承転結があるからです。
開発した きっかけ であったり、開発の狙い、そして開発への挑戦と試行錯誤、そこで次々に巻き起こる想定外の出来事、そして、挫折。しかし、あきらめずにそこから這い上がり、挫折や壁を乗り越え突破し、ついに成功を手に入れるまで。見事な物語ができあがっています。
さらに、そのきっかけや狙い、様々な出来事や解決の一つ一つが、すべて個性的で、その開発者、その企業ならではのオリジナルストーリーになっています。だからこそ、話に引き込まれるのです。
そして、この両者の開発の違いは、商品にも表れます。前者の商品には、他の商品には無いオリジナリティがあり、魅力的で買う者を引き付けます。物語が語れるほどの開発から生み出された商品は、物マネでは無い独自の魅力を放つからです。一方、後者の商品は、良いものではあっても、引き付けるものが無く、退屈に感じてしまいます。
もちろん、こういった開発は、簡単にはできません。起承転結すべてにオリジナリティが必要であり、しかも、起承転結それぞれに踏まえなければならないポイントがあります。さらに、起承転結のすべてがつながっていなければなりません。バラバラでは、開発にならず、当然ながら物語にもなりません。全体のポイントを理解し、しかも全体をつなげていく必要があります。
開発型企業は、このことがよく分かっています。分かっているので、全体をきちんと仕組み化します。仕組み化した上で、次々と新しい物語を作っていきます。当然ながら、そういった成功企業の開発の一部だけをマネても上手くいきません。全体をつなげて物語を作ることができないからです。そして、だからこそ、開発型企業は、独壇場が築けるのです。
御社には、語って聞かせられる開発物語がありますか?
開発を仕組み化し、御社独自のサクセスストーリーを創りませんか?
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