規定で縛るか? 理念(らしさ)を貫くか?
先週は弊社主催「ブランディング営業5大戦略セミナー」を開催し、会場には、真剣に自社のブランディングと営業体制強化を考える経営者の皆さまにお越しいただきました。中には、社長様の右腕となる方とお揃いでご参加くださった企業様も複数あり、その真剣な眼差しに、自然と私のトークにもいつも以上に力が入りました。そんな皆さまから、セミナー中、終了後、後日のメールを通して一番ご質問の多かった内容は・・・
『自社の強みは何で、具体的にどうすれば形になるのか?』
というものでした。簡単にそれが分かれば苦労も無いのですが、しかし誰しもが悩むブラックボックスなのです。
話題は少し逸れますが、先日、大阪・吹田市に「タニタ食堂」がマンション内に初めて出店する「ミリカ タニタ食堂」がオープンしましたね。「タニタ」といえば、体重や体脂肪を計測する“はかり”の会社という印象が強いですが、元々はシガレットケースなどの製造販売を手がける金属加工メーカーとして創業した会社で、長年『はかるもの』にこだわり大きく成長していますが、数年前から“食を通じての健康管理”が実感できる「タニタ食堂」を展開し大きな話題となり、もはやブランドになっています。同社の経営理念、「我々は『はかる』を通して世界の人々の健康づくりに貢献します」を自ら実践する場を形にしたと言えます。「はかる」という強みを活かし徹底的にこだわり続けた先に、人々の健康づくりへの貢献という形が出来上がったのかもしれませんね。
実は先日のセミナーの中で皆さんに体験していただいたのですが、自分自身の素材をどう磨き上げてブランドにするかという分析法・・・なかなか少々の時間では出てこないものです。実際には、専門家からうまく聴き出してもらったり、振り返る時間をとったりしながら、何度も何度も繰り返し練り上げていく中で本当のコアな部分が見えてくるのです。
しかし、多くの現場では、会社の大切な理念や目標をまるで規則のように社内に徹底させようと実行しがちです。内容は理解できないが朝礼で社員全員が理念を唱和する、何のためかよくわからないが上司が必ず!と言うので目標を達成する、お客様がわかっているかは別にして社内の決まりなので自社のサービスを説明する・・・など。 皆さまの周りでも心当たりはありませんか?
これらはほんの一部ですが、最終的な結果は同じかもしれませんが、その過程が全てルール化されている事例です。一見、統制の取れた素晴らしい会社のように見えますが、このような行動は“リスクマネジメントのために”規則やルールを決め、給料や昇進に反映させれば守られるだろうという、何とも安易な経営者・管理者の発想から来るのです。極端に言えば、規定をつくってお給料で縛っておけば管理が楽だということです。
しかしながら、そう思い通りにいかないのが我々人間の難しいところです。度重なる大手企業の失態からもわかるように、どんなに賢い人が集まって、どんなに素晴らしい決まり事をつくってもそれを守れないのが人間なのです。ではどうやったら人は動くのか?人は何に共感してくれるのか?自分たちには何ができるのか?それを考え抜くことが、企業の強み=良さを見つける第一歩となります。そしてそれは顧客や社員の共感につながり、誰にも負けない売りになるのです。
ブランディング営業の最初の入口は、まずは皆さまの会社の強みを分析するところからスタートします。脳みそがぐるりと一回転するような不思議な感覚と生みの苦しみがありますが、それが明確になった時の喜びは何ものにも代えがたいものです。ぜひ一度挑戦してみてください。
皆さんが掲げるその“強み”は、規定に縛られた形式的なものではありませんか?
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。