生き残る会社に共通する思考原則
最近では、「コロナの影響を受けて、経営が苦しくなっている会社」と「コロナの影響を受けても、ビクともしない会社」の明暗がハッキリとしてきました。
ほんの1年前までは、どの会社も「今まで通り」のやり方が通用していました。
ところが「有事の状態」に日本だけでなく世界全体が陥ってから、世界が一変しました。
経営の世界において、何が起きたかというと、「予め自社に内在しているリスクを把握した上で、リスクを排除済み会社」つまり「財務至上主義」の経営をしている会社と、「自社に内在しているリスクを知らないまま経営してきた会社」つまり「売上至上主義」の経営をしている会社とでは、天と地ほどの差が出てきたのです。
そして、この傾向は、益々加速していくという厳しい現実が待っています。
経営においては、時間が勝手に解決するようなことはありません。時間が経てば経つほど悪くなるのが常なのです。もっと言うと、一度変わってしまった流れというのは、100%完全に戻ることはありません。
大変厳しい現実ではありますが、既に起きている事実として、今、多くの会社が「倒産」したり、「撤退」したり、「休業したままそのまま廃業」したり…。周囲を見渡してみれば、あなたも心当たりがあるのではないでしょうか。
今、全国各地で「淘汰されていく会社」と「強く生き残っていく会社」が明確になってきています。「淘汰される会社」もあれば、その一方で「生き残った会社」にお客様が流れていってるのです。
先日、政府が「中小企業の社数維持制限を撤廃する」と発表して話題になりました。政府関係者によると「新陳代謝を促す」と説明されています。
「新陳代謝」とは、言葉のとおり、古いものが新しいものに次々と入れ替わることですから、新しい時代にあったやり方をしている会社は生き残るし、古い時代のままのやり方をしている会社は「倒産・廃業・失業やむなし」ということです。
古い時代の経営のやり方で特徴的なのは、「売上至上主義」「節約至上主義」の経営です。今は、高度経済成長期とは時代が違います。生き残る会社は、新しい時代を受け入れ、柔軟に対応できる会社なのです。
そして、新しい時代を真に生き抜く会社こそ「財務至上主義」の経営を実践している会社なのです。
同族会社の社長にとっての財務は、「守り」と「攻め」の側面があります。
万が一のことがあっても絶対に潰れない会社にするという守りの側面と、事業を永続させるための継続的な事業投資に耐えられる攻めの側面です。
これからの時代は、この「守り」と「攻め」の財務の実務を自由自在に操れる社長だけが生き残っていくのです。
財務至上主義の社長は、厳しく現状認識をしつつ、悲観的に将来を計画して、成功の確度を高める打ち手をコツコツ積み重ねていきます。どんな経営環境下においても、ビクともしません。やるべきことを粛々と実行に移し、確実に成功を積み重ねていきます。
売上至上主義の社長は、そもそも現状認識が出来ていません。楽観的に将来を計画して、お金が足りなくなったら銀行から借りればいいと安易に考えます。表面的な対処療法ばかりで、経営は益々苦しくなっていきます。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは、社長として、どんな未来をつくりたいですか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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