「なぜ、店舗オペレーション改革以外に手を出すと重要なことが見えなくなるのか? その理由はズバリ〇〇!!」
「先生、いくら言っても利益のとれない企画を入れてくるんですよ、そういったことが分かってないんですよ」先日お見えになった、あるチェーンの社長さんからのご相談です。
――――売上減を気にされている限り、何を言ってもダメですね。と申し上げました。
「売上は全てを癒す」という言葉があるように、コロナ特需のように大変で、忙しくとも、「売上が上がる」と人は頑張れるものです。
売上が上がった時の高揚感は格別なことから、誰もがこだわるのは当然のことだと思います。
問題は残念なほど、本当に何が良くて、何が悪かったのか?掴めてないまま、この先、どうしていくのか?その方向性が示せていないということです。
例えば、特需のあった月は、どれだけ儲けを上げることが出来たのだろうか?といったことです。忙しさの実感で言えば、12月を上回ったはずなのに、それを示すものひとつないということです。
売上が、何パーセントぐらい伸びたかは分かっても、経費を差し引いた、儲けはわからないまま、「コロナ手当」や「コロナ一時金」を支給したとしても、その数値根拠が明らかにされなければ、効果は半分以下といえるでしょう。
「競合に情報が漏れたら大変だし」「株主の手前、それは言えるわけない」「そこまで伝える必要があるのか」等々、声は聞こえてきそうですが…
上場企業ならばいざしらず、サプライヤーはもちろん、日々買い物に来ているお客さんから、「売れていそうだ」「お店に活気が出てきている」「店員さんの接客が良い」といった店の勢いは伝わるものであり、それを止めることは出来ません。
一方で、せっかく皆の頑張りによって得ることのできた結果を、パートナーと分かち合うことが出来なければ、宝の持ち腐れというもので、パートナーのやる気を引き出すことはできません。
他社へ多少の情報が知れることと、社内で情報共有がなされないことの、業績に与える影響はどちらが大きいか?一度真剣に考えてみていただきたい、という事です。
「何を共有すればいいのか?」という声が聞こえてきそうですが、
それが、営業利益のような全体像では、ピンときませんが、全社数値と現場がイコールで結びつく基準に変換してみたとき、そこがどうなったか?というふうに変わるものです。
一方、こういったやり方に取り組んでおられる企業では、売上の最も高い12月の生産性に比べれてどうであったか?翌月の1日には一目でわかるようになっています。
実際に特需月の5月売上高を、総人時数で割ってみればわかると思いますが、人員を増やすことなく、売上が二けた伸びると、利益目標を達成させることができる。ことを実体験すれば、次にやるべきことが見えたも同然だからです。
見方を変えれば、平常月でそこまで売上を見込めなければ、人員を二けた近く低く抑える、算段をすぐに執っていく。ということです。
「う~ん」とため息が聞こえてきそうですが
チェーン業界は、近年の採用単価の上昇から、ここ数年、毎年、販管費率が0.2~0.6%のペースで上がり続けています。これを年0.4%ととして計算すると、7年後には2.8%販管費率が上昇することになり、経常利益率3%以上確保できている企業でも厳しい状況といえます。
各社のお考えがあるのでそれをどうこう言うつもりはありませんが、まず、自社の数値で検証してみていただきたいということです。
ご指導させていただいている企業では、売上が上がっても儲からない企画は、止めるようにしていますが、悩ましいのが、中途半端に売れていて止められなかった企画です。しかし、実際に、ある基準に照らし合わせて見るとほぼ赤字で、これまでは、そういったものがなかったことから、止めることができませんでした。
今は、それをどう使い、どういう行動をすればいいのか?知る方法があるので結果が変わってきています。
来年(2021年)度は特需の裏返しです。今から、こうしたオペレーション改革による対策を立てていかなくてはならないわけで、すでに、店長が数値把握して動くことが出来る企業では、稼働日数が増えるほど、大きな差となりつつあります。
さあ、貴社では、まだ、儲からないことに時間をかけ続けますか?それとも、時間切れになる前に、新たな仕組みで動き始めますか?
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