厳しい環境下こそ、「社長がなせる打ち手」
あらゆる業種や業態に大きな影響をもたらしているコロナウイルス。多くの社長が日々アタマを抱え、知恵を絞りながら奮闘なさっていることと思います。
「社員の雇用を守り、社員や家族の生活を守る」ことが、いかに大変で重要なことであるか…現実を痛感され、ツライ日々を過ごしている社長さんも多いかもしれません。
今回のような急激な経営環境の変化が起きたときに、最も避けなければならないこと。それは「社長自身が平常心を失う」ことです。
会社の事業存続のキーを握る「お金」の問題が深刻であるほど、多くの社長が、平常心を失ってしまうことでしょう。
当社では、財務中心の会社をづくりの重要さを、日頃よりお伝えしております。社長がお金の心配をせず、「自由で自立した経営」ができる状態を、意図的に創っておくことが重要であることもお伝えしてまいりました。
社長が平常心を失って、正しい経営判断が下せなくなれば、当然、会社は守れません。だからこそ、社長は、自らが平静さを取り戻し、正しい経営判断を下していかなければならないのです。
特に、事業や会社永続のための「命」となる「お金」に関しては、財務中心の会社づくりをすることで、社長自身が常にタイムリーに経営判断を下せるようにしておかなければなりません。
もし、会社に財務中心の思考が根付いて、社長自身にも財務思考が身についていれば、今回のような環境下においても、常に冷静で前向きな意思決定をします。
「売上ゼロになっても、3ヶ月間は大丈夫…」や「もし〇〇の状態になったら、〇〇のを打ち手として実行しよう」など、自社の状態を数字で具体的に把握した上で、「楽観的なシナリオ」「標準的なシナリオ」「悲観的なシナリオ」をイメージします。
今回のような厳しい状況下では、特に、「楽観的なシナリオ」「標準的なシナリオ」「悲観的なシナリオ」を数字で、具体的に落とし込むことは大変重要です。
今回の騒動を時間軸で捉えるならば、「5月中に収束するシナリオ」「6月中に収束するシナリオ」「7月中に収束するシナリオ」のように、様々な要素を数字に落とし込み、それに基づきシミュレーションができるかと思います。
今の厳しい経営環境下だからこそ、「自社を磨くための打ち手」を実行する。これが最も重要な着眼点になります。企業経営においても、今回のような厳しい環境下だからこそ発動できる「打ち手」があるはずです。
「苦境時」だからこそ、周囲の協力が得られやすい。実は、そんなことがたくさんあるのです。
「赤字決算で株価が大きく下落しそう…」ということであれば、株式承継の絶好のチャンスです。「株価対策なんて、必要なし!」となります。
あるいは、この機会に、過去から残っている含み損のある資産を圧縮して、貸借対照表(バランスシート)をスリムにする。前向きな打ち手をすることから、財務体質をより強固にすることも可能です。
出来ることは、他にもあります。この機会に、「損益管理の仕組みを見直す」「ムダな仕事を排除して、生産性向上への打ち手を行う」など。今回の厳しい経営環境の変化をヒントに、「高収益化」に磨き上げるための打ち手は、山ほどあります。
その事実に社長が気付けたか。そこが問題です。今回の経営環境の影響を、未来に繋がる飛躍の起爆剤として生かせるかどうかは、社長次第なのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは、社長として、どんな未来をつくりたいですか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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