「構造改革を成功させたいと、決意を固めた時の第一歩はズバリ!」
「1年ほど前、セミナーにご参加いただき、やってみようとしたところ、うまく広がっていかない、どうしたらいいのか?」とあるチェーンの社長からのご相談です。
―――― 構造改革を簡単にできると思ってますか?本気で業績を上げたいのであれば、自社の課題をまとめた上で、戦略を立ててから始めていくことには何ら変わりはありません。とキッパリ申し上げました。
理由はシンプルで、社内だけで構造改革をやろうとすると、固定観念が足かせとなり、簡素化、標準化、といった話題がでても、中身が置き換わるだけで何も変わらないからです。
例えば、店舗の構造改革のひとつに、非効率業務の改善という項目があります。いわゆる、長年 社内で行われてきた、形骸化した業務を中止させていく取り組みです。
考えてみればわかることですが、人は、自分の裁量範囲が減ることを面白く思いません。形骸化した業務であろうとなかろうと、裁量権を業務を減らすことなど考えがないので、まず意見がほとんど出てきません。
また、出てきたところで、それを解決しようとすると、部門間の利益相反があるため、人間関係をギクシャクさせてしまう。ことを警戒します。こういったことから、長年やってきたルーティン業務を止めたり、変えていくことは想像以上に難しいのです。
生産性を上げていくためには、これと同時に、作業指示書や人時割レイバースケジュールといったものも欠かせません。作業指示書と聞くと、「エクセルで簡単に作ればいい」と思ってる方はだいぶ減ってきましたが、市販されてるシフト表を導入すれば何でもボタン一つで作業指示表ができて、人は何もしなくていいと、「消費者感覚」の人も多いことから、そういった考えや活用方法を定着させる仕組みも構築していかなくてはなりません。
確かに、スマートフォン買い替える時、携帯ショップではスグに使える状態にして、すぐに使うことができます。パソコンショップなどでも有料で使えるようにして売ってくれるサービスも最近はあることから それが当たり前と思っているのですが、消費者という立場であればそれでいいわけです。
経営者として、ビジネス上で活用していくためには、それを駆使し、いかに早く儲けをあげていくかということです。誰にでも簡単にできるようになるまで待つことは、既にそこにはチャンスはないと言えます。多くの経営者が間違えるのは、経営不振の理由が、売上不振にあるのではなく、こういったことが一般化してからとか、まだまだ早いという考えで、取り組み遅く、先行投資が遅れるから、改装も出店も商品開発もできず、ダメになっていくのです。いかに自社の伸びしろを失わせているか?ということです。
作業指示書を作成し、人時割レイバースケジュールに移行させていく、仕組みや組織づくりをすることは、この取り組み速度をあげていくことであり、業務改革部門を設定し、店でいかに早く活用できるか否かが、その勝敗を分けることになります。
通常は、こういった計画のもと、優先項目つけて取り組んでいくわけですが、社長がこれを意識されないまま、セミナーで聴いてきた話を引き合いに出し、各店を回って、あれこれ指示を出せば、結果が出るどころかまず進むことはできないのです。
自社の課題を明確にし、どこから取り組むことがベストな選択なのか?そういったことがわかれば、社長のイメージする好事例を上手く組み合わせることも可能になります。
失敗したくない、時間も、お金もかけたくないという経営者の方には、セミナーだけを聞いてうろ覚えのままやる前に、個別相談で、手順を明確にしてスタートすることをおすすめしています。
コロナショックで 今は、人と物の動きを止めなければならないことから、経済がストップしています。必ずや新しい大きな変革が生まれることと思います。
少ない人員で、信頼される店づくりを実現するには、仕事に人をつけ その仕組みが誰でも出来るようにすることです。すでに、業界ではそういった企業が増えてきています。競合各社が足を止めている今こそ、構造改革で貴社の力を見直す絶好のチャンスです。
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