危機的変化に関する情報のとらえ方と受け取り方
これまで当社では、自動車の電動化や、決済のキャッシュレス化、脱プラスチック化など、各業界の企業経営に大きな影響を及ぼす危機的変化を、それが表面化する数年前に予測し、先手を打って危機を逆に事業機会とするご支援をしてきました。
最近は、その実績を聞きつけ、「実は当社でも・・・」と危機的変化に直面している企業からのご依頼が増えています。そういったご依頼の中には、「もっと早く頼んでくれたら」と思わず口にしてしまいそうになるケースが少なくないのですが、そんなことを言っている場合では無いので、すぐに対応しています。
しかし、一方で、どうにも対応しようがないケースがあります。対応したくてもできないケースです。
それは、差し迫る危機に全く気付いていないケースや気付いてくれないケースです。ヒタヒタと確実に会社に危機的変化が迫っていても、経営者がそれに気付くことができなければ、対処のしようがありません。
そういった経営者の方に、「電動化やキャッシュレス化、脱プラスチック化など、変化をいち早くキャッチし対応することが大切ですよ」とお伝えすると、「うん、うん」と頷いてくれます。
ところが、表情には余裕があります。「そういった業界は大変だなー」とか、「我々の業界はそういった変化とは無縁だから」とか、「我々の業界の変化はゆっくりしている」など、自分たちの業界は大丈夫という余裕や、変化にさらされている業界に対する同情感が表れます。
「それでは、こういう変化はどうですか?あるいはこういう変化は?こういう変化もありますよ?」と、その企業に直接関係する変化をあげても、こういった経営者の場合、ピンとくることがありません。
これに対して、先手を打って危機的変化に対応し、危機をチャンスに変える経営者がいます。そういった経営者は、常にアンテナを高くし、危機的変化情報に敏感に反応します。たとえ直接関係の無さそうな情報であっても、「どこかで自社に影響することは無いか?どんな危機があるか?あるいはどんなチャンスがあるか?」と常に考えます。そういった経営者の方に、変化情報を提供すると、目を見開いて食い入るように真剣にこちらの情報を聞こうとします。まるで反応が異なります。
ところが、危機に気づかない経営者は、新しい変化情報を提供されても、自分事として考えることはありません。「自社には関係ない」「自社の業界は大丈夫」「それは他所の出来事」など、対岸の火事と片付けてしまいます。こうして相当に追い込まれるまで対応しようとすることはありません。
電動化やキャッシュレス化、脱プラスチック化でご支援してきた企業の経営者のみなさんも最初はそうでした。情報を示しても、「本当にそうなるの?直ぐには起こらない。だいぶ先でしょう。まだ大丈夫ですよ。」そんな反応でした。それが今では、「先生の言ったとおりになっています。あの時、信じて動いていて本当に良かった。」そうおっしゃっています。
危機的変化が表面化し、皆が気づくような時期になってからの対応では遅すぎます。ことがそこまで進んでしまうと、もはや打てる手、選択肢はほとんどなくなってしまいます。「先送り」という選択をした場合、待っているのは、「選択肢そのものを失う」という最悪の事態です。
技術の進歩は、あらゆる業界を変えていきます。例外はありません。そんな時代に、変化の情報から目を背け、対応を先送りすることは、最もやってはいけない選択です。
必要なことは、危機的変化情報に対して、真摯に向き合う姿勢です。
御社は、追い込まれる前に変化に対処していますか?
選択の余地が無くなるまで先送りしてはいませんか?
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