多くの企業が戦術しか持てず、戦略を持つ企業に敗れる理由
「なんとなくやってきた部分がありましたが、きちんと頭の中を整理して、狙いを定めてやることが、本当に大切ですね。」
「大切なのは、きちんと戦略を持つことですよ。」
「本当に、そうですね。ようやく、理解できました。」
現在、ご支援中のある経営者の方が、当社がご説明する開発の戦略を聞き、その狙いと威力を真に理解できたときに、思わず口から出てきたセリフです。
戦略を真に理解し、自社のものとするのは簡単なことではなく、この社長もここまで理解が進むのに数か月かかっています。説明された戦略を理解するだけでも大変なことです。直ぐに理解できるものではありません。まして、ゼロから自分たちで考え戦略にまとめることは容易にできることではありません。
これを象徴しているのが、冒頭の「なんとなくやってきた」という言葉です。どうやってきたのかと言うと、これまでの経験から「なんとなくこうではないか」と考えてやっていたり、社員の意見から「なるほど」と思う部分を取り入れてやっていたりします。あるいは、他社の成功事例を聞いたり、書籍や研修で学んで「なんとなくこれが上手くいくのではないか」と考えてやっています。
気をつけなければならないのは、これらの経験や知識は、すべて「部分的である」ということです。経営者自身や社員の部分的な経験、あるいは、他社の成功事例や書籍などからの 部分的な知識では、既に立てた戦略の補強はできても、ゼロから戦略を立てることはできません。部分的な経験や知識では、それらをつなぎ合わせて、「なんとなく」やることしかできないのです。
部分的な経験や知識からは、戦術しか立てることができません。そして、戦術レベルでは、部分的には上手くいっても、結局、全体としては上手くいきません。場合によっては、個々の戦術が相反する事態が発生し、部門間の対立など、足の引っ張り合いが起こってしまいます。そこまでのことは起こらないとしても、少なくとも戦術レベルでは、戦略を持って戦いを挑んでいる企業には勝つことはできません。
例えば、当社は、開発において企画が大切だとか計画が大切だとご説明していますが、注意しなければならないのは、これら個々の要素だけを懸命にやっても上手くいかないということです。成功させるためには、開発全体を貫く戦略が必要になります。その戦略をすべて理解し実践することが欠かせません。企画も計画も、あくまで戦略を実践するための一部に過ぎないのです。
繰り返しますが、大切なことは、全体を理解した上で戦略を持つことです。部分最適ではいけません。開発なら開発の全体を理解した上での戦い方をしっかりと持つことです。先に全体の戦略を持ち、その後に戦略と整合させる形で、部分部分の戦術を練ることです。決して、部分部分の戦術を継ぎはぎして「なんとなく」戦略があるように思い込んで実戦に突っ込んではならないのです。
御社には、取り組みのすべてをつなげる戦略がありますか?
その戦略は、本当に全体を見て立てられていますか?
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