顧客サービスの原理原則
店舗ビジネスにおいて、「顧客」の存在がその成否を分けることは改めて言うまでもないことです。顧客についてはその対応に難しさがあります。まず何をもって顧客とするのか。また、顧客間でも売上を始めさまざまな「差異」が生まれ、その「差異」への対応をどうするのか。これらは店舗ビジネス経営者にとって永遠の課題と言えるでしょう。
単純に「1回利用してくれたら顧客」というわけにもいかず、じゃあいくら使ってくれたから…何回利用したから…などいろんな基準がありますが、はっきり言って正解はありません。店舗にとっての重要ポイントを見極めつつ、店舗独自の基準を作り、運用しながら改善していくしか道はないのです。
そのたたき台として使えるのが「RFM分析」です。1960年代の米国から始まったと言われる顧客分析の一手法であり、多少古いものの、まだまだ使える分析手法だと言えます。Recency(最新購買日)、 Frequency(購入頻度)、 Manetary(累計購入金額)の頭文字からRFM分析と言われ、ここで詳細な説明は省きますが、3つの視点から顧客をランク分けし、アプローチやサービス内容などを顧客によって変え、ロイヤリティ向上と効率化を目指す方法です。
ただし、ここで気を付けるべきは、RFM分析は顧客分析のたたき台としては使えますが、これだけだと機械的過ぎて、顧客本来の姿とは大きく「ズレ」が生じる可能性があるということです。顧客のことをよく知っている現場のスタッフが自店に相応しい視点(例えば趣味嗜好や所属する組織や人間関係など)を加えることで、そのズレは解消に近づきます。
とはいえ、顧客をうまく分類、分析できたとしても、そのあとの対応がマズければ何の意味もありません。超お得意様は店の誰もが理解しているため、対応を間違うことはほとんどないでしょう。しかし、それ以外の顧客に関しては、皆結構うろ覚えの場合が多いので、対応を間違える、あるいは忘れることもあり、ぞんざいな対応を受けた顧客からすれば「何であの人は特別扱いされるんだ…」「私もいっぱい買っているのに…」といった不満が鬱積していくことになります。
顧客は思ったよりも簡単に離れていきます。たった一度、変な対応をされただけでも離れる顧客は少なくありません。顧客を店舗全体でしっかりと把握し、そのレベルに応じたサービスを一貫して行うことが店舗経営の基本です。
顧客は差別化するべきです。それは一見さんをぞんざいに扱うことではなく、上顧客にはプラスアルファのサービスを提供するということです。自店を贔屓にしてくれる顧客に対して、依怙贔屓することは商売の必然なのです。
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