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The Economist誌が伝える上海のゴミ対策とは

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合同会社オフィス西田

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カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

2019年7月5日号のイギリスの週刊誌The Economistは、Chinaのページに今年7月から上海市が導入したゴミの分別に関わる記事を載せています。中国人がゴミの分別をする、という話に時代の移り変わりを感じるのは私だけではないと思います。

それでも、まずは記事が何を伝えたのかについて追ってゆくと、さまざまな情報が目に飛び込んできます。まず、上海市で一年間に排出されるごみの量が900万トンを超えるのだそうで、これはロンドンよりも多いのだとか。

人口については上海が26百万、ロンドンはせいぜい1千万いるかどうかだと思うので、これは比較対象としてどうなの?と思わなくもありません。ちなみに東京の人口も約1千万人、なのに東京都全体で排出されるごみは年間450万トンくらい、人口で上海の2/5、ごみの発生量で1/6ということになります。

そのゴミについて、まさに今年7月から上海では4種に分別することが義務付けられたのだそうです。その内訳は、①食品、②リサイクルできるゴミ、③乾燥したもの、④有害廃棄物だそうで、分別間違いがあると3000円くらいの罰金も科される厳しい規制だそうです。どの区分に入れて良いか分からないものについては、携帯のアプリがあって、それでゴミの写真を撮影すると正しい区分を教えてくれるのだとか。

The Economistが参照する数字によると、なにせ上海では割りばしだけで年間800億膳も消費されるのだそうで、これで動く廃棄物の量も半端なものではないと思います。もしこの制度が上手く行けば、上海は他の町のモデルになる予定なのだそうです。でもいきなり今までやってこなかった分別を・・って、果たしてうまく行くのでしょうか?

罰金をかけても分別をさぼる人には、政府が個人を特定し、ネットのクレジット情報にチェックを入れるのだそうです。そうすると、たとえばその人は電車の切符の予約などが取れにくくなるのだとか(さすが監視社会!)。そこまでやるか、とも思わされる話ですが、中国らしいと言えばそうかもしれません。

そのくらい厳しくやることで、かの国の政府は民衆の行動変容を促そうとしている、ということのようです。急ぎ動くことは重要ですが、同時に組織の中には大きなストレスを生じさせます。社会がそれに耐えられるのか?これが壮大な実験であるように私には見えます。

規制による急激な消費者の行動変容は、上述の通り必ず大きな社会的ストレスを伴います。そしてそれがビジネスチャンスにつながるという現象は、日本社会においても分煙・禁煙の急激な徹底により発生した店舗リフォーム需要や電子タバコの爆発的需要に現れています。果たして上海では何が流行るのか?それが中国市場全体に広がるのか?ここしばらく、上海の静脈ビジネスに注目です。

 

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