日本の環境ビジネスは、これまで長いこと日本国内をベースに事業展開をしてきました。それがデフレ時代を経て、人口減少に伴う市場縮小に対応するため、海外を市場として意識するように急速な変化を起こしつつあります。
間違いだらけのグローバル戦略
最近、勉強会や各種の会合でこんな話を耳にすることがありました。
「JICAの基礎調査が採択されたので、V国に現地法人を設立するための調査を実施してきた」
「商工会議所の視察ツアーでM国を訪問して、現地の日本人商工会で話を聞いてきた」
あるいはこんなふうに海外ビジネスを考えている会社もあると思います。
「C国に進出している取引先から、現地進出を打診されている」
「B国の留学生を採用したところ大変優秀なので、現地法人を設立して商売を任せたいと考えている」
もしも御社がこのような水準で海外事業を考えているとすれば、そこには大きな機会損失が隠れているということにお気づきでしょうか?
これらの取り組みは、いずれも企業にとって「国際化」への第一歩かもしれませんが、あくまで一対一の商談に対応しているだけ、それ以上の何物でもない、相手国限定の営業努力という域を出ない話です。
他方で日本の環境ビジネスは、分野の違いこそあれ大変に高い技術力を持っている例が多く、戦略的な多国間展開を志向するためにも十分な力を持っています。
それなのに、海外展開については国ごとの事情が違う、現地のパートナーや市場環境も国によって異なるなどの事情を考慮して、個別の担当者任せにしている事例が圧倒的に多いのです。
複数の国で事業展開している会社でも、A国事業とB国事業の間に有機的な関係が存在している事例はほとんどなく、ましてや海外事業全体をポートフォリオとして戦略的に把握しているという事例は聞いたことがありません。
これでは「結果として複数の国で事業を展開している」、と言うだけの話で終わってしまいます。
このような体制では、A国で築いた信用に基づいてB国での事業を展開することなど想像もつかない話だろうと思います。
なぜなら、日本から見ると「A国の関係者はB国とは何の関係もない」からで、担当国が違う者同士の横の連絡が口を挟める隙間など全く存在しません。
一対一の海外展開戦略はそのような取り組みを阻害する仕組み以外の何物でもないのです。
かくして多くの日本の環境ビジネスは、グローバル化の波にまったく乗れないまま、とりあえず個別に各国のビジネスを回しているだけ、というのが実情なのです。
国際社会の求めるものとは
他方で国際社会は、さまざまな「多国間環境条約」による横の連携を強めつつあり、域内連携や複合課題への国際的な取り組みは年々その体制が強化され、国際社会もそのような新しい取り組みに、優先して予算をつけるようになってきています。
さらにグローバルな価値観を共有するため、国連が主導する「2030年のための持続的開発目標(SDGs)」が共通の評価指標として、世界のあらゆるステークホルダーに支持されるようになってきています。
日本でも、SDGsに取り組んでいる企業は少なくありません。
しかしながら現状では「自社の事業がSDGsの趣旨に適っている」、という後付けの承認手続きをなぞったものも多く、ましてや本家の国連に認知されたり、国連と積極的に協力した事例はごく限られています。
そもそも多国間展開のためには何が求められるのか。
国際社会が注目し、その動きを強める「横のつながり」に加わるにはどうすればよいのか、そのつながりを活用して、A国の実績をB国での展開に生かすための方策はどうあるべきなのか。そしてさらに、世界が注目するESG(環境・社会・ガバナンス)投資への対応をどう考えれば良いのか。真のグローバル化に長年携わってきたからこそお伝えできるノウハウを、セミナーでは余すところなく開示させていただきます。
劇的変化の事例
事実、私のノウハウを実践するだけで、80年以上日本国内市場だけでやってきた中堅企業が東南アジアで次々と実績を重ねるという展開を進めるまでになりました。
2030年のグローバル社会に対して何ができるのか、そこにはどのような商機があるのか、それを戦略的に活用するために今何をしなくてはいけないのか、セミナーは企業経営者・事業投資責任者の方々必見の内容が満載です。
セミナープログラム
戦略その1:真の「グローバル戦略」はここが違う!
- 成功確度を飛躍的に高める、グローバルな戦略構築とは?
- 国際社会が重きを置く国と国との「横のつながり」とは?
- なぜ日本企業には「横のつながり」が見えないのか?
- 長期ビジョンを本気で考えれば、国際社会は怖くない
- 国際社会をうなずかせる日本企業の3つの強みとは?
戦略その2:グローバルな仕組みづくりで利益を確実に担保する
- 強みをグローバルに訴求するため絶対に必要な3つの取り組み
- 国際会議を上手く使って戦略実現を確かなものにするノウハウ
- 要注意!日本企業を狙う「グローバル・サギ」の見分け方
- 利益を確保するための最適な人材投資とは
- デジタル時代の情報発信を使う利益倍増の仕掛けとは
戦略その3:既存の強みを最大限に生かすためには
- 役所の機能を上手く使い、事業を加速するための5つのコツ
- 公的支援制度だけじゃない、役所と付き合うメリットとは
- 利益につながる大学・研究機関の活用法3パターン
- 自治体をテコに使うためのノウハウ
- 役所対応のツボ「相手の強み」の使い方とは
戦略その4:気をつけたい、グローバル化を巡る勘違い
- 英語優先という勘違い
- 国連は聖地なんかじゃない
- 「とりあえず」が身を亡ぼす
- 日本は全然特別じゃない
- 世界は実は困ってなんかいない
戦略その5:長期繁栄のためのグローバル戦略とは
- 貢献と繁栄のためのESG投資対応
- 長期のつながりを確保するためには
- SDGsを10倍活用するためのヒント
- 国連を使い倒すための5つのコツ
- 経営理念こそがすべてを決める