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陽を支える陰の部分まで踏み込んで、他社の好事例を活用する

SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社

代表取締役 

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

陽を支える陰の部分まで踏み込んで、他社の好事例を活用する

先日知人がある進学校の記事をシェアしていました。

関西屈指の中高一貫の私立男子校で、有名な経営者も何人か輩出しています。いろいろと気になる特徴を持った学校なのですが、私が一番印象に残ったのは、中高一貫校でありながら、中学校と高校とでは指導方針が正反対であるという点です。

中高一貫校であれば、同じ指導方針を6年間続けることで、成果を出すというのが普通です。

けれども、その学校では、「中学校:制服あり VS 高校:制服なしで茶髪もOK」、「中学校:宿題がたくさん出る VS 高校:宿題は少ない」というように、中学校では厳格にしつけるのに対して、高校は自由放任に近いという感じです。このため、表面的には指導方針を前半と後半で大きく変えているように見えます。

しかし、記事に掲載されていた校長先生の話から推測すると、「自由な環境の下で自主性や創造性を伸ばす」ことが基本であって、前半の厳しい対応はそのための基礎作りであることが分かります。すなわち、中学生の段階で基礎力を身につけることができてこそ、高校生になって、応用力を発揮できるという訳です。

これを会社経営に置き換えてみた場合、「我が社は自由闊達な社風です」といった際に、新入社員から役員に至るまで、すべての段階で自由闊達であるとは限らないということになります。

自由ということは、その反面において、自由にやったことに対して責任を負うことを意味します。また、小事にこだわらないことは良いことですが、時には、細かい数字をきちんと詰めておかないと、痛い目に遭うことだってあります。

つまり、自由闊達な社風と言うためには、細かい部分もしっかり対応できているという基礎があった上で、細かい部分はあまりこだわらなくても大丈夫であるという応用部分が必要になります。それゆえ、自由闊達と言われる会社も、自己管理ができていない人にとっては、それなりに厳しい側面があるのです。

これをキャッシュフロー経営の点から言うと、数字の管理がしっかり対応できているという基礎があった上で、多少どんぶり勘定でお金を使っても資金繰りに支障がないという状況が生れます。特にお金の使い方については、一度身についた習性はなかなか直せないので、できるだけ早い段階でお金の正しい管理方法を習得することがお薦めです。

他社の事例から学ぶ時に、表面的にしか理解できないと、基礎の部分を見落としてしまいます。自由な社風に感じても、そのベースには厳格なルールがあります。どんぶり勘定に見えても、その背景には緻密な計算があります。

大きく取り上げられるのはたいてい「陽」の日の当たる部分。しかし、「陰」としてその「陽」を支えているところまで踏み込むことで、初めて応用がききます。

 

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