できる経営者は、人の焦点をどう活かすのか
「小島さん。第2工場を新設し、設計部門を集約します」
「社長。決断しましたね。一緒に形にしていきましょう」
先日お話した経営者さまの決断。小島も身が引き締まります。
経営者の重要な仕事は、日々勝負ポイントを見極め、決断し続けることです。
この決断が正解なのか失敗なのか、正解であったとしても成果につながるか否か、何の補償もありません。しかし、その決断を正解にすることや、成果につなげることは、経営者という立場の醍醐味の一つです。
その決断を<正解にする>ために、何をどうしたらよいのでしょうか?
その決断を<成果につなげる>ために、何をどうしたらよいのでしょうか?
■1.焦点と感情が人に与える影響
人は、焦点を当てたところからエネルギーを受け取る生き物です。
そして、できる経営者は、人の焦点を活かしています。
例えば、御社の問題社員を思い出してください。問題だなぁと感じる点に焦点を当てます。
・なぜ、言うことを聞かないのか。
・なぜ、そのような行動をとるのか(とらないのか)。
・なぜ、…
問題点が次から次に見つかり、ネガティブな感情が膨らみます。
次に、御社のエース社員を思い出してください。エースだなぁと感じる点に焦点を当てます。
・なぜ、細かく指示しなくても自ら考えるのか。
・なぜ、自ら行動し成果につなげていくのか
・なぜ、…
強みが次から次に見つかり、ポジティブな感情が膨らみます。
どこに焦点を当てるか、焦点がエネルギーの方向性を決めます。
そして感情というフィルターを通して焦点を当てると、そのエネルギーは桁違いに膨らみます。感情は、エネルギーの増幅装置。化学反応レベルに拡大する拡声器のようなものです。
そして、感情はモチベーションに影響を与えます。
ネガティブな感情は、対象を否定し排除しようとします。ネガティブな感情は、対象を肯定し支援しようとします。
また、これを逆説的に考えると「感情はエネルギーが形を変えたものだ」とも言えるのではないでしょうか。
■2.事実に焦点を当てる価値
次に、事実に焦点をあて、冷静に事実に確認しましょう。
先ほどの問題社員も、エース社員も、どちらも人間です。良い面もあれば、課題もあるでしょう。365日24時間ありとあらゆるケースで、問題であったり、エースであったりするわけではありません。
さらに、職場環境や両社員が育ってきた背景があります。冷静に事実として確認してください。
- 部門・役職・役割・担当業務・関わる人間関係が影響しているかも知れません
- 就職する前の家庭環境や、入社後の職場環境が影響した結果かも知れません
たまたま良い恩師に出会う機会があったとか、良い上司に育てられる機会があったなど、偶然の体験・経験の積み重ねが現在の状態を作り出しているはずです。本人にも要因がありますが、それ以上に本人がおかれた環境に影響を受けています。真の原因を見抜こうとすると、本人が良いとも、本人が悪いとも、言い切れません。
冷静に事実に焦点を当てると「そういう背景があれば、そうなっても仕方がなかったかもしれないなぁ(当然だろうなぁ)」と気づきます。そして、問題を生み出した原因や、成長したきっかけ・要因を抽出することができます。
■3.できる経営者の焦点の使い方
農耕タイプの経営者は、事実に焦点をあてる傾向が強いものです。
事実の積み重ねから作物が適切に育つ条件を抽出します。繰り返し田畑を育て、毎年同じパターンで改善していきます。安定的に成果を生み出しますが、大きく飛躍することがなかったり、大きな環境変化に弱かったりというデメリットがあります。
伝統を重んじる老舗企業に多いタイプです。
投機タイプの経営者は、感情に焦点をあてる傾向が強いものです。
事実を確認するよりも、喜びと苦しみの感情の落差を利用して人を動かします。組織をダイナミックに動かし、市場をコントロールし変革を起こします。新たな価値をとても早いスピードで生み出しますが、バブルを生み出したり、1つの判断で会社を潰すというデメリットがあります。
常識を覆すベンチャー企業に多いタイプです。
それでは、できる経営者は、人の焦点をどのように活かすのか?
できる経営者は、農耕タイプの良いところと、投機タイプの良いところを使いわけるハイブリットタイプです。
まずは、事実に焦点をあて、原因や要因を抽出します。自分のためよりも他の誰かのために、社会に価値を生み出す勝負ポイントを見極めるのです。そして、可能性が広がる方向に導くことを決断します。
そして、それを成果につなげるプロセスで感情の力を使います。可能性に焦点をあて、社員に気づきをうながし、社員のモチベーションを引き出します。組織をダイナミックに動かし、成果につながる行動をうながします。
経営者は、組織をコントロールする立場・役割を果たさなければなりません。この点を正しく認識し、自身が不在でも機能するようにしなければなりません。
できる経営者は、焦点を有効に設定しています。しかも、経営者自身だけでなく社員にも活用させるような仕組みをつくっています。
例えば
- 組織の古い固定概念を外し、気づきをうながし、新しい可能性を掴むために
- 可能性が広がる方向に導き、他の誰かのために価値を創造し、豊かな社会を育むために
- 社員ひとり一人が、自分一人では進めない道を、自分の力で進んで行けるようにするために
- 経営者自身も、そこで働く社員一人ひとりも、やるべきことに集中するために
あなたは、経営者として、社員の焦点をどのように活かしていきますか?
そして、どのように自社に導入して成果につなげますか?
焦点をどのようにコントロールするのか。意図しなければ、氾濫する情報に躍らされ判断を誤ってしまいます。ぜひ、じっくりと考えてみてください。
弊社は、この観点をじっくりと考えた結果【業績3年先行管理の仕組みづくり】に特化することを決断しました。御社は、どのような決断をしますか?
※弊社は、経営者自身や社員が「どこに焦点を当てるのか」「やるべきことに注力する仕組み」として、【業績3年先行管理の仕組みづくり】を公開しております。興味がある経営者様は、ぜひセミナーにご参加ください。
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