〇〇を追うと下請けになる
「ロボット産業なんか、良いですよね」
先日、下請けから抜け出すために自社商品の開発を始めることを決意した、ある製造業の経営者の方に、どんな市場を考えられているのかお聞きしたときのご回答です。
なぜ、ロボット産業が良いと思われるのか聞いたところ、「少子高齢化、人手不足で、間違いなく伸びる市場でしょう?」とのご回答だったので、「ところで、ロボット市場で戦うための何か武器をお持ちですか?」とお聞きしました。
すると、「それは、目下勉強中です。だいぶ習得できています。」とのこと。
「なるほど。それだと、確かに仕事は取れるかもしれませんが、また、下請けになりますよ。それでも良いですか?」と返しました。きょとん、とされていたので、そのあと一通り理由をご説明し、分かって頂きました。
今日は、この理由について、少しだけお話ししたいと思います。
この場合の下請けになる理由、それは、一言で言うと、「この方が考えたことは、その他大勢の人が考えることと同じ」だからです。
ロボット産業が伸びることは、皆わかっています。
そのため、大手を含め、強力な武器(技術)を持つ実力のある企業が、ぞくぞくと参入しています。
そんな中に、少々勉強したからといって、これまでやったことの無い、しかも体力的に劣る中小企業が飛び込んでも、とても対等には戦っていけません。
伸びる市場では、仕事自体は増えるので、おこぼれ、下請け仕事ならありつける可能性はあります。しかし、自社商品を出し、実力企業と互角に戦うのは、まず不可能です。
実は、皆さん頭の中では、成長市場に参入すると競争が激しくなるのは、わかっています。ですが、それでも飛び込んでしまいます。
なぜ、でしょうか?
それは、「数を追う」(大量生産を目指す)からです。
その方が儲かる、そうしないと儲からないと思い込んでしまっています。
ところが、数を追って武器を持たずに成長市場に飛び込んでしまった結果、強力な武器を持つ実力企業にやられてしまっています。
例えるなら、猛獣がうじゃうじゃいる見通しの良い草原に、エサが豊富だからと言って草食動物が無防備に飛び込んでいくようなものです。あっという間に餌食になってしまいます。
そうではなく、猛獣に見つからない、自分だけの秘密の場所を見つけ、実力を蓄えること。それが、中小企業が自立するための近道です。
「数を追うこと」をやめること。
脱下請けを目指すときの大切な視点です。
既に、大量生産、大量消費の時代は終わっています。
数の誘惑に打ち勝ちましょう!!
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