カウンセラーのための「価格設定で失敗しない」思考法
「もっとカウンセリング料金を安くしたほうがいいのだろうか・・・」
安定してカウンセリングの予約が取れていないとき、不安や焦りから値下げする人がいます。
値下げしても予約が全く増えないケースもありますが、上手くいけば予約が増えるかもしれません。
仮に、値下げして予約数が増えたとします。単純に考えて、料金は今までの半額にして、予約数が2倍に増えたとしたら、どうでしょうか。
お客様が2倍になったので、当然忙しくなるでしょう。でも、肝心の売上は以前と変わらないということになります。忙しいだけで全く儲けは変わらないということです。
あまり意味がないどころか、次の戦略を考える暇がなくなってしまうので、値下げはマイナス面の方が大きいといくことになります。
ただし、「カウンセリング経験を積んでおきたい」という明確な目的がある場合は、一時的に値下げるのは全く問題ありません。ちゃんと自分で意図するものがあればいいのですが、何の考えもなしに値下げするのは非常にマズイのです。
さて、値下げという選択をするのではないのであれば、一体どうすればいいのでしょうか?
実は以前私は足裏マッサージ店を経営していました。厳密には業界が違うのですが、よく似た業界ですので、とても参考になると思います。
むしろ、マーケティングセンスを磨く上では、他業種の事例をカウンセラー業界に当てはめて応用するのは、とても大切なことです。
私が足裏マッサージ店をしていたころは、ちょうど大手がマッサージ業界に参入してきた時期で、一気に価格破壊が起こったのです。
大手は安い料金で勝負してきます。街のマッサージ屋さんもそれに対抗すべく、大手の料金に合わせて、一気に半額にするようになったのです。
その結果、忙しいだけで全然売上が上がらない状態になりました。閉店に追い込まれる店舗も多数出たのです。
そんな状況の中、私のマッサージ店はどうしたのか?
私のお店は、値下げとは逆の戦略を取りました。
値上げしたのです。
正確には、大手が参入して全国的に価格破壊が起こる前に対策を練り、値上げしていました。
マーケティングコンサルタントのダン・ケネディの戦略で「価格を下げるのではなく、価格を上げよ」というものがあります。
もっと言えば、「値下げしてつぶれる企業はあっても、値上げしてつぶれる企業はない」というのです。
もちろん、ただ単に価格を上げるだけでは、お客様は見向きもしてくれません。
でも、お客様に提供するサービスに対して価値を感じてくれたら、ちゃんとお客様はきてくれるのです。
当時、どうやって価値を高めたのか?
例えば、60分〇円と打ち出すだけだと、単純に他店と価格を比べられるだけです。
ですので、私のお店は「冷え性改善のお店」として打ち出したのです。お客様としたら、マッサージ屋さんという認識ではなくなるので、大手のマッサージ店と比べられなくなったのです。
大手は「薄利多売」の戦略をとってきます。価格を下げて、大量のアルバイトを用意して、多くのお客様を取り込んでいきます。
大手の戦略と同じ路線で戦ってしまうと、勝ち目はありません。もし、生き残れたとしても、忙しい割に儲けが出ないので、身体は相当悲鳴を上げるはずです。長期的にはやっていけません。
そこで小規模のお店は、《大手が絶対できない戦略をとる》必要があるのです。
でもここで注意が必要です。ただ単に「冷え性を改善します」といっただけでは、お金を支払ってまで施術を受けたいとお客様は思ってくれません。
そこでお客様の教育が重要になるのです。
冷えを放っておくことで、重い病気につながる可能性がある。不妊につながる可能性がある。
あるいは、夜も眠れないほどの辛い症状があるのは、実は冷えが原因である。
このように放っておけない痛みまで掘り下げて、教えていくのです。
そして、その痛みを解決できるメニューを作っていくわけです。このように考えていくと、価格は下げずに、むしろ逆に上げても全く問題ないのです。
今回の要点です。
価格設定に迷う人はたくさんいるでしょう。でも、価格だけに囚われないことが肝心です。
いかにお客様が感じる価値を高めていくかが勝負になります。そして、その価値をお客様にとって、わかりやすく示していくかが大切になります。
そのためには、放っておけない深い痛みまで掘り下げていきます。深い痛みに共感し、痛みを解決するものを提供していきましょう。
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