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売れ筋商品の功罪

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

店舗ビジネスを行っていく上で、売れ筋商品というものがあります。

ここでいう売れ筋とは、その時々で店舗の売上、利益に貢献しているモノやサービスのことを表します。

この売れ筋の商品構成はいわゆるパレートの法則が当てはまります。

この法則をごく簡単に店舗ビジネスで例えれば、2割の商品が8割の売上をもたらしているということです。

また、2割の顧客が8割の売上をもたらしているとも言えます。

もちろんきれいに2割や8割に分かれるわけではありませんが、様々な事柄で似たような比率に分かれることが往々にしてあります。

ここではその2割の商品を売れ筋と呼びます。

そして売れ筋には種類があります。

まず時期によって売れるものが異なることは、店舗ビジネスをやっていない人でもなんとなく想像がつくと思います。

季節商品と言い換えることもできますね。

飲食店であれば、暑い時期には冷たいドリンクやメニューが、寒い時期には温かいドリンクやメニューが売れやすいのは誰でも考えつきますね。(もっとも最近では、夏におでんや1年中アイスクリームが置いてありますが)

そして売れ筋商品はその時代による流行も大きく影響しますね。

色々なものが流行っては消え、流行っては消え…

また、外部環境に影響されず、自社だけの売れ筋商品というものもあります。

これはいわゆる老舗と呼ばれる店舗に見受けられるものです。

○○と言えば○○。

羊羹と言えばとらや。

牛丼と言えば吉野家

ちゃんぽんといえばリンガーハット

カレーと言えばココ壱番屋などなど…

(私の主観です。ご自身で想像してください。)

こうなるともはやブランドです。

こういった老舗は日本全国あらゆるところにありますね。

このように売れ筋には様々な種類がありますが、店舗経営で重要な仕事の一つに、この売れ筋商品の在庫を過不足なく持っておくことが挙げられます。

過不足なくというのがポイントです。

そこでまず気を付けるべきことは、流行を追いすぎないということです。

流行による売れ筋を追うことは悪いことではないのですが、いずれその勢いは止まります。

皆が欲しいときには品薄で手に入りにくく、原価が異常に高くなる。

徐々に市場が膨張し、供給過剰になってくるとモノがあまり、低価格化が進み、一気にバブルが崩壊します。

その時に大量の在庫を持っていたら、その後は地獄絵図が待ち構えています。

店舗を経営している以上、流行を全く追わないということは難しいですが、追いすぎると危ない。流行に乗りすぎると一緒に沈んでいきます。

流行しているモノは簡単に売れますよね。

それが危険な兆候なのです。

店舗経営者にはバランス感覚が求められます。

ベストはやはり先述した、

“○○と言えば○○”

という独自性のある自社商品を持つことです。

それに季節性を加味して商品構成を考えれば在庫リスクも少なく、利益も出しやすくなります。

しかし簡単にそういう商品をつくることができれば苦労はありません。

大半の店舗は独自のモノやサービスはなく、競合他社と似たり寄ったりの商品構成です。

だからこそ時代や季節の売れ筋をうまく取り入れていく必要があるのです。

先ほどは流行を追いすぎないと言いましたが、自社に強いブランドがない限りは、時代に合ったモノがないとやはり厳しくなります。

何回も言いますが、そのバランス感覚ですね。

「うちはうちで周りには流されず、このどこにもないオリジナル商品を売っていくんだ!」というのは簡単ですが、ほとんどの場合うまくいきません。

季節の、世の中の売れ筋を上手に取り入れながらその中で独自性を出していくこと。

時代の流れを無視することはできません。

その大きな流れを無視して店舗経営をしても単なる独りよがりで終わります。

視点を広げ、世間の動きを知ることが重要なのです。 

皆さんはそのバランス感覚を持っていますか?

そのために何をやっていますか?

 

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