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来年の売上のために“今”やるべきコト

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

「うちの会社でも“コンサルティング営業”という言葉を耳にする機会が増えましたが、結局モノ売りと何ら変わらない営業スタイルのような気がしますがね・・・」

 先日、ある会社の営業幹部の方とこのような会話になりました。しっかりとお客様の話しに耳を傾け、課題解決をするスタンスでの営業を目指しているようですが、実際は、目の前のノルマに追われ、結局最後は押し売りになってしまうのだそうです。確かに…現実はそうなのかもしれませんね。

前職の営業マン時代にも、初めは「お客様のニーズを掘り起こすことが大事だ」と指導されましたが、相手のことを深く知るため一社にかかりきりになっていると、終いには「効率が悪い!」と締め上げられる事になってしまうという経験をしたのでした。“コンサルティング”をするだけのスキルが身に付くのには相当の時間と経験が必要であり、誰でも初めは時間が掛かる(若しくは、いつまで経っても出来ないこともある)のです。 

一方、経験を積んでようやくその能力が身に付いてくると、今度は違った悩みにぶつかります。それは…“自社商品が売れなくなる可能性がある”ことです。親身になって相手の事を思えば思うほど、他社にもっと安くて良い商品があったり、自社では対応できないサービスが必要になったりして、正直にそれを伝えると自分の売上につながらない事態を招くのです。結果、入り口はコンサルティングと言って入って来たが、いつの間にか商品を売りつけるただの営業マンに逆戻り…という事も起こりかねないのです。 

ひとくちに“コンサルティング営業”と言いますが、できても、できなくても…悩みは尽きないものですね。さて、このコンサルティング営業。私が現場で行う時に大切にしてきた2つのポイントがありますので今日はそれをご紹介いたします。これは、営業マンと言われる人に限らず、店舗などで対面販売をする店員さんにも、社内で総務の仕事をしている人にも使っていただける考え方で、“人と人を深く繋げる”効果があると私は思っています。

その2つのポイントの1つ目は、「想定力」。想定とは、“ある条件や状況を設定すること”…ですが、それぞれ違うパターンで3つ考えてみることをオススメします。例えば、①買う場合②買わない場合③買わずに借りた場合など、何かを提案する時にも異なるパターンを幾つか想定してみるだけで、相手との会話の幅がグンと広がります。買ってもらえばこうだけど、もしも買わない場合はこういう方法が考えられるな、借りるとしたらこんなコトに注意が必要だな…など、相手の事を真剣に考えるからこそ出てくるアイディアもあります。買ってもらうことしか考えていないと、どうしても会話が一方的になってしまい、何だか押し付けられる感覚を相手に抱かせてしまうのです。

そして2つ目は「想像力」。“現実には存在しない事柄を心の中に思い描くこと”…相手が欲しいものを手に入れて喜んでいる様子などを想像してみることです。コンサルティング営業をされる方には当たり前過ぎるお話しかもしれませんが、意外と出来ていない人も多いように感じます。

皆さまも営業をされる側の立場に立つとよくお分かりになると思いますが、1つ目の想定する力…確かに想定はしているが、自分の考えと反する場合には否定的に関わってくる人がいます。営業マンで言えば、②買わない③買わずに借りる…の想定はしてみたが、実際にその答えが返ってくると「いやいや…」「でも…」と説得しようとする人だったり、2つ目の想像する力…相手が心から喜ぶ姿は想像できても、自分ごととして喜べない人だったり。(あくまでも営業のための想像だと相手がなぜそんなに嬉しいのか理解できない、一応話しは聞いているが雑談程度にしか考えていないなど)。

2つのポイントに共通することは、「相手が何を欲しがっているのかではなく、何をしたいのか?」に興味を持つことです。なぜその商品が欲しいのか、なぜその場所に行きたいのかを知らなければ、真に抱えている課題やニーズは分からないからです。何かを欲しいと思った裏にはきっと何かのきっかけがあったハズだからです。

経営者の皆さま。御社の営業部は、形だけの“コンサルティング営業”をやっていませんか?相手のニーズを聞くことでコンサルティングをしたつもりになっていませんか?真のニーズはもっと深い部分にあり、それに応える営業力を磨かなければ長く選ばれる会社にはなりませんよ。未来の売上は、日々の信頼(聞いてくれた、分かってくれた、真剣に考えてくれた)の上に積み上がるものなのですから。

 

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