二代目と創業社長では、会社を大きく「デキル」の手腕が全く違う。
「社長が、忙しすぎるんです。働き過ぎなんですよ。で、社長がいないと最終決定できないから、結果的には売上がたたない。
ウ~ン、社長は大変だ思うけど、、、社員は社長からダメと言われれば手を止めますからね。」
製造日報をみると数日間すっぽり数字がありません。
理由は、社長が忙しいから?
納品が遅れて売上がたっていないと言うのです。
社長が陣頭指揮をとる、それはどんな会社でも至極当然ですが、社長がいなければ売上がたたないというのは、どうしてなのか?
最終製品のチェックは、社長自ら行っており、社長の品質基準に達していないと判断された製品は、世に出回りません。
社長の製品チェックが出来ないために、販売までの流れが、止まってしまったようです。
先代から引き継いだ事業は、安定推移。
地域では、優良企業として紹介される。
当然、社長は各種の団体で栄誉或る地位に推挙されていきます。
社長の社外での仕事量が急に増えたのです。
となると、時間がたりないのです。
元々製品のチェックを全てしていた時から時間にはゆとりはありませんでした。
二代目として会社に入った年に、先代は亡くなりました。
引き継ぐべき経営手腕はもちろん、製品の製造技術さえよく分からないま二代目社長業の船出でした。
工場では、機械が並び、従業員が配置され、製品が生産されています。
機械の名前を知る事から始まり、何をつくり何が良いところで、生産ラインのどこに弱点があるのか?一つ一つ自分で分かるまで工場・会社を視てまわりました。
「誰」に、教えてもらえばいいのか?分からなかったのです。
まして、入社直後に先代の相続事案発生、何か周りから力のない二代目が相続で力を得たように見られてはいないかと気にかかりました。
工場で長時間過ごし、製品の善し悪しをチェックする。
「そういえば、先代も工場にいて ずいぶん機械の調整に気をもんでいた。
新しい機械は、スピードが速いと言っても、品質が一定の基準に至には時間がかかるとも言っていたな。」
先代の言葉を思い起こすにつけて、自分が基準になっていく事が自信になりました。
社員が、社長に「これどうすればイイでしょうか?」と相談にくる回数が増えると同時に「何で、こんな製品世の中にだせるか!」と怒鳴る回数が増えていきました。
会社の成長には、大きく4つのステージがあると言われます。
第一ステージ 起業期
第二ステージ 成長期
第三ステーズ 成熟期
第四ステージ 衰退期(残念ですけれど)
二代目社長が就任するのは、多くの場合第二ステージ若しくは第三ステージです。
起業期の経営と第二ステージの経営は、大きく違います。
創業社長で思い起こすのは、「強烈な個性」「強いセールス力」「理よりも情」です。
とにかく熱く社員を牽引して、売上という数字を伸ばしていく姿です。
この時期の悩みはひたすら「売上」
会社が5億10億20億と大きく成長する時に必要なのは、成長期の経営手腕です。
この時期の経営者の悩みは、ずばり「人」
人が「商品」を生み出し、人が「ビジネス戦術」を立て実行し、大きな売上を立てていくステージです。人を動かす力・スキルが、会社の成長を作るのです。
小さな会社を大企業のように経営していく、それが成長期の経営手腕。
大企業のように経営するとは、どんなことでしょうか?
日産のカルロス・ゴーンになったつもりで、何をすべきか想像しましょう。
彼は、自分が日産という会社について「無知」なことを逆手にとって、社員と直接話をし、共通言語を作ったと言うのです。
共通言語とは、仕事の仕方、中期計画に盛り込んだ目標数字です。
会社を起業期から大きく成長させるのは、社長と社員の共通言語「目標数字」です。
現場が自主的に内部から変わらないと、会社は大きく発展していけないのです。
会社を大きく発展させたい社長が、言葉にすべき3つのキーワードがあります。
「ビジョン」「価値観」「スローガン」
社員が分かる共通言語「数字」を使ってつくります。
次に、会社を大きく発展させたい社長が作るシステムは、3ステップ。
「仕組み」「環境整備」「数値化して評価する」
社長のあたまの中にある考えを、システムとして形にするのです。
怒鳴る社長は、内心「自分が出来ない・出来ていない」と自分を責め立てています。
ミス・ロスが発生するたびに、「あ~っ、また損がでた。」と悔しくてたまりません。
そこで、思わず「なにやってんだー!」と怒鳴ってしまうのです。
社長が怒鳴っているのは、なぜか?
理由が分からなければ、社長のエネルギーは退職者を出すだけのマイナスパワー。
理由をシステム化すると、平均的な人でも仕事が出来る、儲かる会社になるのです。
社長が何を目標(ビジョン)としているのか、何を大切に思っているのか(価値観)、それを数字のかけ算「スローガン」にするから、社員の頭に共通の目標として届いていきます。結果を「数字で評価する」から、社員は公平だと感じます。
「人」は公平に評価されたいと思っています。
能力があると思っている人は、能力で評価してほしい。
社長への忠誠心を持つ人は、折に触れ情をアピールするし、評価を得たい。
長時間労働が好きな人は、タイムカードで評価されたい。
しかし、大事なのは、社長が目的とするものです。価値があるとするものです。
社長が長期的に得たいと思っている結果に対して、貢献している項目を評価に取り入れる事です。わかりやすい数字にして評価するシステムを作ることです。
社長がすべきは、「誰」にさせるか、「目的・期間・報告の頻度」を決める事。
簡単ではありませんが、長期的に会社を大きく成長させる大きな力になります。
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