高価格で受注し、安く外注を使う・・・高収益企業の真の儲けの構造とは?
自社で集客し顧客を開拓しない限り、絶対に儲かる事はありません。
考えてみれば当たり前です、もし自社が元請で仕事を取ったら、その仕事を他の企業(外注)に良い価格で出しますか?絶対にそんなことはしません。
我々が、何かしらの仕事をお金を払って他の企業に依頼する理由は主に以下になります。
- 自社ではできない専門的な仕事を依頼する。
- 受注量の調整:自社でこなせない分を出す。受注量減少の時には内製化に切り替える。
- 利益の確定:儲けが薄い案件を、自社の取り分を確定し、発注する。
1の企業のことをパートナーと呼びます。2.3の企業のことを下請けと呼びます。
どの会社にとっても一番の経営課題は、集客です。
しっかり儲けるためには、自社の提供する「価値」を必要とし、その「価値」に対ししっかりお金を払う見込客を集める必要があります。
そのために、価値を伝えるための提案書を作成し、その情報をその見込客が見つけ、興味を持たせ動いてもらうだけの仕組みを構築します。
集客という課題に対し、莫大な知恵とお金と時間を費やす必要があります。それをやり遂げた会社だけが、高粗利の値決めと収益性の高い仕事を得ることができます。
そして、その仕事を分解して、他社に依頼します。
その他社には2種類あり、使い分けをします。「価値」を得るために発注する先と、「モノ」を得るために発注する先があります。
例.パソコンを買う。
「緊急時にすぐに復旧してほしい」のでサポートのしっかりした企業から買う、やや高い。「事務スタッフの入力用のパソコン」は、インターネットで探し出来るだけ安く買う。それぞれに対し、適正価格で依頼することになります。
「価値」を期待して発注する先に対しては、当然それなりの価格で依頼することになります。この先をパートナーと呼びます。それに対し「モノ」を期待して発注する先に対しては、原価から計算した価格で発注します。 ただの「モノ」に対しては、多く支払う必要はありません、また、このご時世代わりを探すことは難しくありません、だから適正価格です。この先を下請けと呼びます。
ここに儲けの構造があります。
自社は顧客から「価値」で仕事を受注し、その仕事を分解し、「モノ」を売る企業に仕事を依頼する、「モノ」を売る会社から仕入れます。
- ホームページ制作業
顧客には「集客できるホームページ」を50万円で売り、制作会社に20万円で発注する。 - 店舗改装業
顧客には「客単価を上げる内装」を1,000万円で売り、内装業者に400万円で発注する。 - 試作金属加工業
顧客には「スピード納期」を100万円で売り、同業者に50万円で発注する。
儲かる事業の全体は下記になります。
「価値」を必要とする見込客を集め、自社のコア(集客の仕組み、技術、サービスなど)を保持し、「モノ」を提供する企業から安く仕入れ・外注し、その顧客を「価値」で満足させ、高い報酬を頂戴する、その結果、大きな差額(粗利)を得る。
そして、この先も良い顧客に良い価格で良いサービスを提供するために、その儲けの中から集客や仕組みや人材に再投資し、さらにその地位を盤石にする。
これが構造です。
そして、一方で、その仕事を請ける「モノ」を売る会社は、徐々に力を削がれることになります。
価格は、原価(材料費や人件費)に近いものとなります。自社の総売上の中のその会社の占める割合が大きくなれば、価格交渉権もなくなります。また、その粗利高では、専業の営業担当が置けなくなります。
特に自社で開拓しなくても仕事量は確保できるので、「営業」も経営課題ではなくなってきます、この状態を数年続ければ、営業の感覚もその力も自社から失われます。
忙しい割に儲からない、将来が見えない、仕事にプライドが持てないので、社長自身も社員も疲弊してきます。そして、薄利なので、外注も使えません。新たな取組みへの投資もできません。
生かさず殺さずの状態です。
なんとしても、「価値」を売ること。また、自社で集客から販売の仕組みを持つこと。これがスタートです。
パートナーの地位を獲得する、そのために自社で売ることを本気で考える、それは、社長の決意から始まります。
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