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知的財産を「誰に」活用するか~社長、特許情報を使いこなしましょう!

SPECIAL

知財・ライセンスの収益化コンサルタント

株式会社 IPMaaCurie(アイピーマーキュリー)

代表取締役 

知的財産、マーケティング、マネジメント…を融合し、ライセンスによる収益を恒常的に得る仕組を創るコンサルタント。「見えない有益資産」である知的財産を見える化し、将来、億単位の収益向上に繋がる新たな収益力を引き出す独自の仕組みづくりに定評がある。

プレゼンテーション1

前回のコラムで、知的財産を活用する相手として、金融機関との連携を考えることを提案しました。

今回は、知的財産を「誰に」対して活用するかについて一つの考え方を提案します。

それは、具体的な相手探しの方法提案です。

例えば、自社の特許技術によって開発した新商品を購入してもらえそうな会社を探したいとします。つまり、販売先の開拓ですね。では、どうやって探すのか?

特許情報を活用するのです。

もう少し詳しく説明しましょう。

その新商品を購入したい会社があるとすれば、その会社にはその新商品を買わねばならない理由があるはずです。一般的に「ニーズ」と言われているものです。

それが、技術的な課題(例えば、工場内の廃水をもっときれいに処理したい、真円度の高い機械部品が欲しい)であるとすると、大手企業であればそのような課題が記載された特許出願をしている場合があります。これを特許情報を使って調べてみるのです。

ご存知の方も多いともいますが、特許庁が無料の特許公報等の検索サイトを公開・運営しています。(サイトのURL:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)

かつては、特許電子図書館と呼ばれていましたが、現在は特許情報プラットフォームJ-PlatPatという名称になっています。

このサイトで、「特許・実用新案」における「特許・実用新案テキスト検索」で、技術的課題に該当するキーワードを入力してみるという方法です。

例えば、「加工」と「真円度」というキーワードを入力してみると、約1,000件(特許、実用新案)の特許公報と実用新案公報がヒットします。

特許公報や実用新案公報は、他社の権利範囲を示す「権利書」であると同時に、他社の技術内容を示す上質の「技術文献」でもあります。また、その中には他社が「自社の技術課題」と考えていることが記載されている場合も少なくありません。

これらの中から、自社の商品や技術を購入してもらえそうな会社(特に、自社の商品や技術で解決できそうなことが記載されている公報をピックアップして)を抽出していきます。

実際、私も含めた弁理士のチームで、ある企業に対しこの特許調査による見込み客探索の方法をご提案させていただいたこともあります。

普通は、特許調査というと、「ライバル会社の技術動向を探る」「技術全体のトレンドを把握する」「ある特許を無効にするための資料を探す」等の目的で行うのですが、このようにコラボ相手を探すという目的でも十分利用できます。

社長が自らやってみてもいいですし、自社の技術担当にやらせてみてもいいと思います。

一度、手間を惜しまずやってみてください。いい相手が見つかるかもしれませんよ!

 

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