自社のポジショニング(視点を変えて)~社長、顧客に提供している「価値」に気付いてますか?
今回も、知的財産を見える化するためのポジショニングについて、少し違った視点で考えてみましょう。
なぜこの「見える化」にこだわるかというと、見えないものを見えるようにするためにはそれなりのノウハウが必要であり、いろんな選択肢の中から事案に応じて最適な見える化の方法を選択し、使えるようにならなければ、いつまでたっても自社の価値が見えない、もしくは気付かないままになってしまうからです。
そのことをもう一度念頭に置いたうえで、読んでみてください。
その前に、知的財産は狭義の「知的資産」ですが、ここでは知的資産として、もっと概念の広い、「目に見えない資産全て」を考えます。
自社が持っている「強み」も、知的資産の一種です。
では、「目に見えない資産全て」のうちから経営に役立っているものを抽出し、全て「見える」状態にするにはどうすればよいか?
非常に難しい問題です。
ここでは、私なりに「活用できている知的資産の抽出と見える化」について話します。
これには、いろんなアプローチの仕方がありますが、一つの方法として、例えば、
①その会社の業務工程をすべて洗い出す。
②その工程で特徴となっていることを抽出し、「なぜそうなっているのか?」
「なぜ?」「なぜ?」を繰り返してその特徴を深堀する。
③そうやって見つけた知的資産(=強み)は、
他社にもあるのか?
他社にはできないことなのか?
他社でもすぐ真似できることなのか?
を(入手している情報の範囲で)検討する。
④こうして掘り出した知的資産は、それだけで成立しているわけではなく
他の知的資産とネットワークのように繋がることで、その会社が生み出す価値
(=顧客提供価値)にたどり着く。
ここで、その知的資産同士の繋がりと、そこから得られる価値の「見える化」が非常に重要になってきます。
会社が顧客に提供しているのは、「商品」や「サービス」そのものではなく、そこから生まれる「価値」です。
その「価値」は社内のどんな知的資産がどうやって活用されているかを見える化することで、はじめて経営に活用できている知的資産が浮き彫りになるのです。
それに気付いている会社は、中小企業であっても自社の本当の「強み」と「価値」がわかりますから、大企業と充分渡り合えるオンリーワン企業として成長することができるようになります。
その中で、特に知的財産が価値の創造に寄与していることがわかれば、それをさらに活用するために何をしていけばよいか(アクションプラン)も見えてきます。
ただ漫然と知的財産を取得しているだけの企業とは一線を画すことができるようになるのです。
その知的資産の繋がりを活用する例として、例えば、
- 自社の経営幹部と共有し、戦略策定に活かす。
- 取引先に対し、自社の知的財産とその位置付けを示して、更なる連携・取引拡大を図る。
- 社内の従業員に提示し、自社の価値を共有し、かつ社員教育に活用する。
等、活用の場面は種々考えられます。
当社がお客様に提供している本当の「価値」は何か?
それは、社内の見えない資産をどう活かしているからなのか?
経営者の皆様が自ら考え、従業員と共に見出していくべきことなのです。
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