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通販ビジネスと「エシカル消費」

白川博司
SPECIAL

通信販売コンサルタント

株式会社四方事務所

代表 

通販戦略なくして事業の成長はない! 20年間にわたり、300社以上の通販立ち上げに携わってきたプロコンサルタントが、経営者のための通販視点とこれからの事業発展の重要戦略について提示。

新緑と地球儀

「道徳・倫理的」という意味があるエシカル。

「エシカル消費」は、その言葉通り環境保全や社会に配慮した買物のことで、日本でもこの消費スタイルが浸透してきている。

環境への配慮だけにとどまらず、貧困層支援や産業振興など、社会規範に配慮した取り組みにより生産・流通される商品を提供する企業を、消費者はショッピングを通して応援するわけだ。

たとえば、児童労働を排した服や雑貨類、開発時に動物実験をしていない化粧品、放し飼いの鶏肉、地産地消も一種のエシカルな取り組みである。

お金を使うことに意義を見いだそうとする人たちは、「エシカル消費」により“いいことをした”という満足感が得られるため、商品や企業に対する顧客満足度が高くなる傾向にある。

「エシカルファッション」をはじめ、「エシカルフード」「エシカルインベストメント(倫理的投資)」など、様々な分野で広がりをみせているエシカルな活動は、大手企業ばかりでなく、中小企業にも求められる時代となっている。

分かりやすい事例なのが、トヨタ自動車の「アクア」の取り組みだ。各地のNPO 法人と協力し、「アクアソーシャルフェス」として、川をきれいにするイベントを開催。必要な道具類をアクアで運んで社会貢献を行うことで、クルマ離れが進む若者層の好感度を上げ、車両別販売ではトップクラスの実績を誇っている。

私の顧問先にも、入社式後、全社員で川の清掃をしている企業や、地域のごみ収集、アマゴ稚魚一万匹の放流活動等々、継続的に地域に根ざした活動を行い、結果としてエシカル消費に結びついている事例が増えている。

このエシカルの概念は、コンセプト重視の通販ビジネスと親和性が高く、今後、我々が取り組むべきテーマの一つである。

 

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