強気の見積もりを出す営業文化が、強い企業体質を育む
先日、とあるクライアント企業の営業数値評価ミーティングに参加していたときのことです。
非常に引き合いが強い状態で、一見ウハウハなのですが、忙しいわりには利益がでない…と社長はぼやいていました、
聞くと、これまでの相場感で仕事をしていて、新分野における競争力の強さがまったく価格に反映されていない状態です。
例えて言うなら、これまで涌水のミネラルウォーターを100円で売っていた会社が、清水の舞台から飛び降りる覚悟で採掘コストをかけて、ようやく掘り当てた高濃度ミネラルの水を120円で販売するようなもの。
売り手は、同じ水を売っているつもりで、採掘コストが掛かったから、ちょっと上乗せした程度で充分だろう…といった認識でつけた価格。
しかし、顧客の目線から見れば、もはや「水」ではありません。
良質なミネラルをふんだんに含んだ「サプリメント」のようなものです。
価格は「水」と比較するのではなく、本来は「サプリメント」と比較しても充分な競争力を保てるのに…。
そう感じて、そのままの例えば話しながら、強気の見積もりを提出するように助言しました。
そもそも、価格とは「価値をお金に置き換えたもの」です。
そして、その価値には、「絶対的な価値」と「相対的な価値」そして、「未来を形成する価値」があります。
「絶対的な価値」とは水は喉を潤すものと捉えるときのこと。
「相対的な価値」とは、サプリメントと比較したとき、どちらが効果的に健康体にアプローチできるか…と捉えるときのこと。
そして、私が着目すべきだと強く思っている「未来を形成する価値」とは、自社の顧客に、今よりもさらにベストな世界観を一緒に作っていく姿勢、努力、技術・ノウハウ蓄積など、未来に受け取る効用や利益のことを言います。
上述の例の通り、よりよい水を提供するために、清水の舞台から飛び降りる確度で投資をしたように、今度もさらに最高の価値を提供しようと努力をすれば、今後もたゆまない投資が必要になります。
その投資活動を行うからこそ、他社の追随を許さず、顧客からも飽きられず、魅力的な会社として注目されていきます。
ドラッカーも言いました。
利益とは、未来費用である ― と。
御社は、強気の見積もりを堂々とお客様に提示する覚悟を、社員全体に共有させていますか?
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