現実的な知的財産活用~社長、下町ロケットはドラマの世界ですよ!
先日、朝のワイドショーでとあるソレノイドメーカーが、ソレノイドを使った発明品を募集し、優秀作品を表彰するという取組をしていることが紹介されていました。
ソレノイドとは電気部品の一種で、電磁コイルに電流を流すと磁力が発生し、そのコイルの中に配置された鉄の棒を直線運動させるというものです。学生時代に習った電磁誘導の応用ですね。
その会社の人いわく、「ソレノイドという部品が一般に知られていないため、その普及のためにソレノイドを使うことだけを条件として、面白いユニークな発明品を考えてもらうことを始めた」とのこと。
発明品の紹介もされていましたが、実際に商品化できるかどうかはともかく、発想は確かにユニークだなと思いながら拝見していました。
このように、「発明」というキーワードで自社製品の宣伝をしたり、「下町ロケット」というドラマで知的財産が取り上げられたりと、世間一般にも特許や知的財産の重要性が広まっているように感じます。
私自身、下町ロケットを観た人から、「あれって現実にもそうなの?」「あの主人公の考え方って正しいの?」というような質問を受けたりします。
これは知的財産を扱う人間にとっては非常に有難い話なのですが、少し見方を変えると、「発明や知的財産を活かした取り組みに、目的意識はあるか」ということもセットで観なければいけないなと思います。
例えば、上述のソレノイドメーカーの場合、自社のソレノイドを知ってもらうことが目的なので、発明の内容自体よりも、多くの方に興味を持って応募してもらう方が大事でしょうし、目的意識をちゃんと持った活用をしていると思います。
また、下町ロケットの場合、あの主人公の技術に対するこだわりはあるが、経営者としては果たしてどうなのか?
ライセンスを許諾するという選択肢はなかったのか?という見方もできるでしょう。
現実はドラマのようにいくとは限りません。
要は、「目的意識をちゃんと持って、現実を見ながら知的財産を経営に活用しているかどうか」ということに尽きるのです。
知的財産の重要性がわかった後、それをどうやって経営に活かし、目的意識をもって使いこなしていくのかを決め、実行することが大切です。
あなたの会社は、目的意識を持って現実的な知的財産の活用をしていますか?
ドラマを観て、表面的なことだけなぞっていませんか?
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