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数字を読む ― 3,900円+890円

白川博司
SPECIAL

通信販売コンサルタント

株式会社四方事務所

代表 

通販戦略なくして事業の成長はない! 20年間にわたり、300社以上の通販立ち上げに携わってきたプロコンサルタントが、経営者のための通販視点とこれからの事業発展の重要戦略について提示。

不在票

この数字は、Amazon プライム会員の年会費(3,900 円) と、即日配送サービス「Prime Now」の1 時間以内配送の料金(890 円) である。

これは、午前6 時から深夜1 時まで、生活必需品や趣味・嗜好品、ギフト用品など約
1 万8,000 点の商品を1 時間以内に届けるサービスだ。

注文にはスマートフォン用の専用アプリ「Prime Now」が必要で、注文は1 回当たり2,500 円以上、商品は1 個から購入できる。

現在のサービス対象エリアは、関東は東京都8 区と2 市、川崎市の2 区、神奈川県の14 区、そして関西は大阪市の17 区、兵庫県の2 市などで、エリアは順次拡大予定である。

このサービスは、飲料や冷たい酒、手軽に食べられるサイズのスナック類が人気を集めており、子育て家庭には、ベビー用歩行器など大型商品も好評だという。

このような、ネット通販大手による“配達時間競争”は過熱する一方で、家電量販店業界や小売業界にも波及している。

たとえば家電量販大手のヤマダ電機は、昨年10 月、東京八重洲北口に高級志向を打ち出した新型店「C o n c e p t L A B I T O U K Y O」をオープン。中央区・千代田区・港区を対象に、小型・大型家電や消耗品、生活用品を最短3 時間で届ける「スーパーエクスプレス」を開始し、注文を受けると店舗の社員が配送するそうだ。

同様にヨドバシカメラも、昨年9 月、中野区・杉並区・新宿区の3 区で、6時間以内に注文商品を届ける「エクスプレスメール便」を開始しており、都内23 区全域だけにとどまらず、地方都市への拡大も視野に入れている。

一方、楽天においても、昨年9 月、楽天ブックスにおいて、1 都7 県を対象に注文当日に配送する「あす楽当日便」を開始したほか、商品の受け取り場所の多様化も順次進めており、駅や郵便局に設置した専用ロッカー「楽天BOX」の運用を行っている。

またセブン&アイ・ホールディングスの「オムニセブン」も、国内最大のコンビニ網を持つ強みを生かし、店頭受け取りや無料返品サービスにより、ネットと有店舗の融合を進めているのは、ご存知の通りである。

このように、家電量販店やネット通販大手では、打倒アマゾンを掲げ、商品をできるだけ速く注文者の手元に届ける策を講じ、そのスピードにしのぎを削っている。

商品の在庫保管や再配達コストも大きいため、スピード配送と受け取り場所の多様化は、ユーザーと企業の双方にとって、ネットショッピングに欠かせない、より重要な要素になってきている。

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