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葬儀・僧侶の手配も、ネット通販の時代に

白川博司
SPECIAL

通信販売コンサルタント

株式会社四方事務所

代表 

通販戦略なくして事業の成長はない! 20年間にわたり、300社以上の通販立ち上げに携わってきたプロコンサルタントが、経営者のための通販視点とこれからの事業発展の重要戦略について提示。

僧侶

アマゾンジャパンは、昨年12 月8 日から自宅・お墓などに出向き、法事法要を行う僧侶を手配するサービス『お坊さん便』の取り扱いを開始した。

このサービスは、葬儀関連の紹介サイトを運営する「㈱みんれび」がアマゾン上に出品しているもので、このサービス自体は、3 年前から開始されており、料金は自宅など手配先への訪問のみなら3 万5,000 円と定額で、クレジットカードでも決済できる。

今回のアマゾンでの販売開始により、このようにリーズナブルな価格と、手配書をネット通販するという斬新なスタイルが話題を呼び、一気に知名度が上がったようだ。

現在、このシステムに登録している僧侶は400名で、アマゾンや「みんれび」への手数料を除いた分が僧侶への“お布施”となる。心づけやお車代、ご膳料といった追加料金は一切不要で、全国どこでも手配が可能だという。

このサービスに対し、業界団体の全日本仏教会は、「宗教行為をサービスとして商品にしている」と、神経を尖らせているが、すでに相当数の利用者がおり、また登録を希望する僧侶からの問い合わせも急増しているようだ。

超高齢化と共に、葬儀の簡略化・スピード化が進み、密葬が一つのスタンダードとなっている現代では、間違いなく必要とされるサービスで、「地方出身者で菩提寺がない」「お坊さんとの個人的な付き合いがない」という人や、葬儀に関する風習や不明瞭な料金体系に疑問を持つ人に支持されている。

時代の変化に伴う“エンディング(終活)”の一現象である。

従来の仕組みを壊すイノベーションに反発はつきもので、必ず硬直した考えを持つ保守派は存在するが、利用する・しないは消費者が決めることである。

時代が必要とするものは、どんなに反対勢力が阻止しようとも根付くもので、小売業の中での通販も、この道を乗り越えてきた。

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