期待値がリピーターを作る
「チラシの写真は実物よりはるかによく見えると思っていましたが、届いた商品はチラシの写真と同じだったので大満足でした」。
コンサル先でアンケートを拝見すると、このような意見が寄せられるお店がとても多いのです。
ということは、出前・宅配だけでなく、一般の飲食店でもメニューの写真と実物が違っている店が多いということです。実物の商品より写真を相当よく見せていると、お客様はどう思われるのでしょうか?
写真が美味しそうに見えると、お客様は「同じように見栄えのいい、美味しい商品が届くだろう」と期待をします。
しかし、届いた商品とチラシの写真との落差が大きいと、お客様はそのギャップにガッカリします。
注文したときには期待が高かったのに、届いた商品がその期待を大きく下回ると、お客様は裏切られた気持ちになります。
これでは、次の注文にはつながりません。大風呂敷を広げれば、2度目の注文がなくなるどころか、悪い評判も立って、売れなくなってしまいます。
「宅配なので期待していなかったけれど、美味しくてビックリしました」、こんなアンケートも宅配専門店でときどき拝見します。
このアンケートは、注文後には美味しかったと評価が上がっていますが、注文前はあまりお客様に期待されていないわけですから、店にとっては複雑です。
これは、先ほどとは逆のパターンです。お客様はあまり期待していなかったのに、届いた商品がその期待を上回れば上回るほど、お客様の満足度は高くなり、次の注文にもつながります。
ところが、リピーターになったお客様からは「2回目の注文だったけど、前ほど美味しく感じなかった」と厳しい意見をいただくこともあります。
素材や調理方法が同じでも、味は気候や体調によっても変わります。また、初回に感じた期待値の差が大きく満足度が高ければ高いほど、その記憶が鮮明に残っています。
そのため、2回目も1日目と同じかそれ以上の期待をしてしまい、1回目と同じ商品でも、美味しく感じないことがあります。
しかし、期待値を上げるのは、味だけではありません。さまざまは情報提供や対応まで全部含んだお店の総合力です。
お客様の期待を高め、満足していただくためには、初回注文からリピーター化への設計図、すなわち「しくみ」づくりが必要です。
同じ商品でも、お客様の期待値によって、評価はよくも悪くも変わってきます。
リピーター化へのしくみづくりをして、お客様の期待値をあげ、そして満足をさせていますか?
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