補助金獲得と知的財産~社長さん、補助金自体が目的化してませんか?
「補助金って、採択されたら非常に便利だけど、税金払っている側からしたら、ちゃんと使ってもらわないと腹立つよね」
これは、先日お会いした会社の社長と補助金の話をしている際に、社長がおっしゃった一言です。
2月5日に、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金の公募がスタートしました。
今回も、おそらく多数の事業者が応募をされることと思います。
私の本来業務は「知的財産の活性化仕組創りコンサルティング」ですが、その前段階として、この補助金申請のサポートを依頼される場合があります。知的財産に関する経費も補助対象になるからです。ありがたく引き受けています。
ところで、冒頭の社長のお話、申請する側からすると少し耳が痛いとお感じになる経営者もいらっしゃるのではないでしょうか。
補助金自体は非常に有益な制度です。
ただ、補助金事業も目的は言うまでもなく、中小企業や小規模事業者の新規事業を金銭面でサポートするためのものです。つまり、「事業成功のためのツールに過ぎない」のですが、企業によっては補助金を獲得することそのものが目的化している(表面上は現れませんが)場合がないとは言い切れません。これは、事業者が意識している・していないに関わらず、起こり得ることです。
例えば、補助金申請にあたっては、事業の目的、事業計画、事業遂行による効果等を記載していくわけですが、その記載が「面倒くさい」「時間がない」「書き方が難しい」というような理由で、他の方に丸投げしてしまうような場合、それで仮に申請が採択されたとしても、本当にその会社の事業が認められたといえるでしょうか?
逆に、本当にその事業に対する思い入れがあり、何とか事業を成功させて世の中の役に立ちたいと思っておられる事業者様は、こちらから基本的なアドバイスをしたうえで
ご自分で申請書類を作成されています。
毎日本業でお忙しい中、寝る時間を削って作成されています。
このような事業者には私も頭が下がる思いで、採択後もできる限りのサポートをさせていただいています。
申し上げたいことは、「自分が遂行する事業のことは(表現方法、文言はともかく)その思い、内容を自分で書かなければ、相手(審査員)には伝わらない」ということです。
その上で、その事業が認められ補助金支給が採択されれば、必要な知的財産の取得・活用にも積極的に取り組めますし、自社の新事業遂行する上での「羅針盤」にもなるのです。
その「羅針盤」の中での知的財産の位置付けと活用方針を立てて実行していただき、事業が成功することで、知的財産に関わる者として「血税」を有効活用できたなと
私自身も実感ができます。
「他人の懐を利用している以上、利息(事業の成功と顧客への還元)をつけて返済する」ことが必要ですね。
社長さん、もし補助金獲得を考えておられるのなら、その目的は何ですか?補助金獲得自体が「目的化」していませんか?
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