新規事業を成功に導く絶対条件とは?
「これは我が社が社運を掛けた商品です。確実に成功させたいのです。なんとかお手伝い頂けないでしょうか?」
日本アイ・オー・シーが自主開催しているセミナーにこられた社長さんからのご相談です。
これまで「無線機器」「半導体評価装置」「医療器具の部品」から「食器」「食品」「衣料」などなど様々な業界で、新商品を次なる事業の柱に育てるお手伝いをしてきました。
当然のことながら「成功するプロジェクト」もあれば、「思うように伸びなかったプロジェクト」もあります。
その違いは何か?
プロジェクトの棚卸しをしてみると、そこにはある一つの共通点がありました。
それは「新規事業に賭ける本気度」です。
本気度というと、根性論ですか? という声も聞こえてきそうですが、決してそうではありません。
根性論を排除しても、事業を成長軌道にのせることは出来ます。
しかし、売れるロジックを外した事業は、成長軌道には絶対に乗りません。
不思議なことに、成功した事業は例外なく「理にかなったロジック」のもとに事業が成り立っているのです。
例えば、成功か不成功は、営業における「集客性」と「受注効率」の2点がキモを握っています。
その中でも受注効率に目を向けてみると、受注確度の高いセールスストーリーは、相手の利益が具体的にイメージさせるロジックが働いています。
売れないセールスマンは、商品の「特徴」や「採用メリット」を謳いますが、売れる営業マンは、必ず相手の「利益」をイメージさせるような商談展開をしていきます。
この営業マンのバラツキを減らす仕組みを作る為に、最初から「利益」にフォーカスした集客をしたり、営業マン達にお客様に利益を与えるエビデンス(証拠)を揃える努力を組織的に行うのです。
このロジックは、どのような営業活動でも効果を発揮します。
逆に言うと成功している新規事業は、必ずこのロジックに到達していると言っても過言ではないでしょう。
しかし、このステージまで企画段階からスムーズに来れる訳ではありません。
試行錯誤は、新規事業において避けては通れない道であることが大半なのです。
この試行錯誤を誰がやるのか?
乱暴に聞こえるかも知れませんが、本質的には、このようなプロセスを社員に全権委譲させることにはムリがあります。
新規事業には、壁がつきものですが、この壁にぶち当たり、打開策を打つ為に何度も、何度も諦めずに突破口をこじ開ける努力が必要です。
投入する労働時間以外にも投資判断が必要なケースもあります。
「もうこれ以上は何をやってもムリでしょう…」と誰もが思う末期状況から、数十万、数百万円の追加投資を判断して責任を持って実行にあたるのですから、相当の起業家精神が必要です。
この恐怖に打ち勝ち、なんとしてもやり抜く社員 −−− 御社にはいますでしょうか?
社運を賭ける前に、自らの進退問題に関わる恐れがあるのですから、そのリスクを顧みて、仕事を成し遂げるには、経営陣との相当の信頼関係があるか、または将来独立する起業家気質の人材しかいないでしょう。
それでも、社員を全面的にフォローする前提をもって、新規事業リーダーの選出するのであれば、以下の資質をもった人物を登用すべきです。
- 突き詰めてモノを考える思考をもっていること。
- 行き詰まっても、諦めない性格であること。
- 勉強熱心であること。
- 環境を素直に受け入れ、自己変革を恐れない性格であること。
- 自己責任主義であること。
- 経営陣に対してイヤな情報もしっかりと報告でき、どう対処すべきかのガイドラインも提示できる能力があること。
この条件が備わっている人材であれば、成功に導くことが出来る確率は「大」です。
もし、そのような人物が社内に見当たらなければ…
どのような代替案も考えずに、社長自身がけん引するほかありません。
御社では、新規事業推進リーダーの推進役に気を配っていますでしょうか?
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