カイゼンに聖域なし
日本のものづくりの生産性はカイゼンの力で国際競争力があります。
しかし、日本の事務オフィスの生産性はものづくりに比べて大きく劣ると言われています。
では事務オフィスにカイゼンは当てはまらないのでしょうか?
そんなことはありません。
実はものづくり現場も事務部門もカイゼンの基本は同じです。
たとえば、工場のものづくりでは、最後に検査があります。
- 設計図通り作られているか?
- キズや汚れがないか? などなど
もし、これらが満たされていなければ、不具合部分を修正しなければなりません。余計なコストも発生してしまいます。
この不具合が起きたのは、現場の作業者が悪いのか?
いえ、そうとは言い切れません。
- 設計図にあいまいな部分があり、どうつくったらいいか明確でないところがある
- キズや汚れはどこまでは許されるのか明確になっていない
これでは、検査する人が誰なのか、検査する人のその日の気分で検査結果が変わってしまいます。
設計図の書き方の見直し、検査内容の明確化もカイゼン活動です。
さて、これはものづくりだけの話ではありません。みなさんの事務部門でも起きています。
部下に資料作りを任せることがあると思います。上司から資料作りを頼まれることもあるでしょう。
そのとき、みなさんはどんな頼み方をしていますか?
上司「いつもの売上集計を作ってくれ」
部下「はい、わかりました」
(2時間後)
部下「できました」
上司「違う、違う、担当者別じゃなく、エリア別だ」
なんてことが、事務フロアのあちらこちらで起きてませんか?
上司の依頼内容は工場で言う設計図です。
いつもの売上集計が一種類ならいいですが、集計の仕方によって何種類もあるでしょう。
どの集計を作って欲しいのか具体的に伝えないと誤ってしまいます。
あいつは察しが良い、悪いの問題ではありません。
家庭でお父さんがお母さんに「おい、あれ取ってくれ」と同じです。
逆に頼まれる部下も、ちゃんと「どのように集計すれば良いですか?」聞くべきです。
でも、いちいち細かく確認すると腹を立てる上司が・・・・
なんてこともあるでしょう。
「あれを作ってくれ」で求めているものが一回で出てくれば楽です。
しかし、最初の指示で手を抜くと、あとで余計な工数が掛かって残業になりますし、会議に間に合わないかもしれません。
厳密な設計図はいりませんが、何のために使う資料か、表はどのように作ったらいいか、場合によっては以前の資料を取り出して指示すれば確実です。
社長の会社の事務部門は、仕事を依頼するとき、手間を抜かずに依頼内容(設計図)を明確に伝えていますか?
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