ピンチはチャンス 多店舗展開
少し前の、日経MJに飲食店求人15%増という記事が載っていました。
ますます、人の問題は加速していきます。
厚生労働省が発表した2015年8月の一般職業紹介状況で、飲食店の新規求人数(新規学卒者除く)で前年同月比15%増と3カ月連続で2桁の伸びを保った。小売業も7.2%と高い水準を保っている。
流通関連企業での人手不足が続いていることを裏づけた。 全体の有効求人倍率も1.23倍となっている。
飲食店での人手不足は今後も続くということです。特にその中でパート求人が16.3%、正社員が12.8%と戦力であるパート従業員の不足に拍車がかかってきています。
この状況の中で、フードビジネスの経営者はどう対応すべきでしょうか。 経験上パート・アルバイトさんが不足している店舗を見てみますと、離職率が非常に高い店舗が多いようです。
一度自店パート・アルバイトさんがどのくらい辞めているのか(離職率)調べてみるとよくわかります。一年間の退職者を調べてみてください。
少し前までは、そうは言っても募集すればなんとか人が集まっていたことに甘えて、根本的な改善を怠っていませんでしたか? 卒業等の理由でない離職者が多い店舗は、お店の中に大きな問題が潜んでいます。
結局アルバイトをする彼らは、楽しく仕事ができ、やりがいが感じられればわざわざ他に行って、一から知らないところでやり直す必要がないんですから。
- 店内の雰囲気はどうか、新人さんが楽しくしごとできそうですか
- 教育のための仕組みはできていますか
- モチベーションアップのための、昇給昇格制度はありますか
- 店舗の運営に関わっていますか(参画しているか)
- 経営者がよく話していますか(経営理念等)
- 休憩室は整っていますか
等々、確認してみてはいかがでしょうか。
すなわち、今いる従業員が頑張れる環境になっているか見直すことと、その対策を講じることです。
これは、待った無しです。一人不満を持ってやめた従業員は、特に学生であれば、その噂は学生仲間、学校中にあっという間に広がります。不満を持ってやめるということが、そのお店の致命傷にもなるということです。人が集まりにくいお店は過去にそんなことがあったのかもしれません。
たかがアルバイト学生ひとりとあなどってはいけません。
もう一方で、この機会に店舗の生産性向上を徹底的に考えることです。今まで、安価なアルバイトの労働力に甘えて、効率化を怠ったツケです。
人に頼った運営方法から抜け切れていないことが経営的には大きな問題です。
今からでも、生産性を向上させて効率的な店舗運営に変わる、絶好のチャンスです。そうピンチはチャンスなんです。
外食はどうしても人に頼らなければならない部分が多い業種であるだけにその、効率化は大事です。
効率化できるところはどんな手段をとってでも徹底的に効率化を図ることです。その最たるものがこれからは「IT」の活用でしょう。そしてその余力をサービスを中心としたどうしても人に頼らざる得ない部分に振り向けることです。効率化がサービス低下につながるのは本末転倒です。
今は、多くのIT企業が外食のためのシステム構築に参入してきています。コストも格段に下がってきています。効率的な、骨太な運営体質に変換するチャンスです。
以前にも触れましたが、日本のサービス業の労働生産性はアメリカの約半分です。倍の余地があるということです。
アメリカに先例があるわけですから可能ではないでしょうか? 何もかもコストが上昇する中で残された可能性です。大いにチャレンジする意味はあるでしょう。
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