トップセールスが必要なとき

「やはり営業力が、企業の根幹をなすのでしょうね」
先日、自企業を倒産された経験のある方のお話をお聞きしていた際に、その方がポツリと言われた一言。
財務専門のコンサルタントを招き決算書の見栄えを良くしたり、広報関連のプロに依頼し、メディア方面で様々な展開をしたものの、いずれも業績を立て直すには至らず、最終的には企業の幕を閉じてしまったとのこと。
お話をいただいた方は、私が営業戦略を担うコンサルタントという職業に務めていることを汲み取り、営業力を絡めたお話をしてくださったのでしょう。
たしかに、その方がおっしゃるように、たしかに、売上あってこその企業は生存を許されます。
しかし、その反面、営業力だけに傾倒していては間違いなく「息の長い」企業を作り上げていくことは不可能です。
私が業務に際して、その商品を売る瞬間から逆算し、見せ方・そのあり方まで言及させて頂くのも、そのこの考えに基づいてのことです。
企業の目的は、「顧客の創造」です。
商談、契約を取りまとめる営業こそが、顧客を創造する最終ポイントとなるわけですが、その目に見える瞬間だけを見てしまっては的確な経営判断はできません。
アタリマエのことですが、売った商品を通じて顧客を満足させられなければ、その積み重ねが企業衰退の原因ともなり得るのです。
「顧客の創造」とは、変わりゆく社会の一員である顧客が求めているであろう需要を先回りして提供していくことです。
社会構造が変われば、それに伴いニーズが変化していきます。
競争条件が変われば、それに伴いニーズも変化していきます。
社会基盤が変われば、それに伴いニーズも変化していきます。
(交通、ライフライン、インターネットなど)
需要とは常に、環境の変化を起因して発生していきます。
端的に言うと、これを先取りすることが、「顧客の創造」なのです。
既存の自社商品を通して社会の変化、それに付随する需要を感じ取り、当社商品が役立ちそうか…という発想もよいでしょう
いずれにせよ、企業の独りよがり、~うちの製品はこれがすごいんだ!他とはここが違うんだ!~を押し付けるのではなく、真に顧客に貢献するという理念が大事であることは言うまでもありません。
営業マンが、自らが扱う製品は顧客のためになるという確信がなければ、それは単なる押し売りになってしまいます。
押し売りは、長くは続かないものです。
自責の念を頂いたまま、仕事を続ける有能な人材はいないからです。
「押し売り」という表現、少々過激な言葉ですが、けっして経営者に悪意があるという意味では、決してありません。
ここで言う「押し売り」とは、他企業よりも優れた製品を提供できます!と胸を張って売れないときに生じてしまう「良心が苛(さいな)まれる売り方」のことです。
営業マンが心底自社商品を売ることで社会に貢献できている!と自信を持てる環境をつくることこそが、経営者の責任であり責務です。
自社の強みが弱くなってきている、新たな分野の開拓をしたい。企業が次なる成長ステージに立つとき、つまり栄枯の分かれ道にいるときにこそ、こういった確固とした「理念」が大事になっていきます。
うまくいくかわからないけど、とりあえずやったれ。という逃げ腰の姿勢もよろしくないです。
時代の流れをみて、当社の商品は、このようなお客様にこのような貢献が出来ます…という強いメッセージこそが、顧客だけではなく、社員の心も揺さぶっていくのです。
その為の突破口としては、中小企業であれば「トップ営業(社長や社長と運命共同体の幹部)」が欠かせません。
「トップが売って来たんだから、営業である私も売らなければ…」という責任感も芽生えますし、「波及営業」の考え方でいうインパクトユーザーにもなりえます。
既存の商品を、既存の売り方をするのであれば、トップセールスの必要性は高くはありません。
しかし、時代の変化を読みとり企業が新たな舵をきるときは、トップセールスがやはり効力的です。
良くも悪くも、社員が社長の前に出ることはありません。
変化を起こすぞ!
という御旗を掲げたとき、先立ち、行動する人物がいなければ後続は続きません。
現に、私がお手伝いをさせていただき、事業を2倍、3倍に大きくした経営者の方々は皆、先頭に立ち突破口を開いていきました。
何度も言いますが、平時の時は別ですが、危機のとき…つまり舵をきることで企業に変革をもたらす有事のときは、トップセールスが流れを変えます。
2016年、御社は変化を起こしますでしょうか?
その時、トップ主導で動く戦略は練り込まれているでしょうか?
この記事が少しでもお役に立ったのであればうれしい限りです。
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