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知的財産を活用する相手をどう選ぶか(2)~社長さん、やみくもに名刺交換してもだめですよ!~

SPECIAL

知財・ライセンスの収益化コンサルタント

株式会社 IPMaaCurie(アイピーマーキュリー)

代表取締役 

知的財産、マーケティング、マネジメント…を融合し、ライセンスによる収益を恒常的に得る仕組を創るコンサルタント。「見えない有益資産」である知的財産を見える化し、将来、億単位の収益向上に繋がる新たな収益力を引き出す独自の仕組みづくりに定評がある。

プレゼンテーション1

前回、本コラムにて、知的財産のライセンス先を探す視点について触れました。

今回は、その視点についてもう少し考えてみます。

「私が考えているアイデアを具現化し、ビジネスにする上で、マッチング先をどう見つけるかはとても大事なんです。ですから、もし経営者が集まる会合とかがあればぜひ教えてください。いろんな方と知り合いたいので」

これは、昨日訪問させていただいた会社の取締役の方が、打ち合わせをしている中でおっしゃった言葉です。

その会社は元々商社なのですが、取締役の方が非常にアイデア豊富で、商社にとらわれず世の中に役立つアイデアをどんどんビジネスにしていくべく動いておられます。

私からは、「私も会員になっている会合もあるので紹介しますが、すぐにビジネスになるかどうかは未知数ですよ。御社の特許を活用したビジネスについてはマッチングのプロがいるので話しておきます」とお伝えしました。

このコラムをお読みの経営者の方々もご経験しているかと思いますが、世の中にはいろんな業界・団体で「ビジネスマッチングフェア」というものが数多く開催されています。私も参加させていただく機会をいただき、名刺交換をさせていただきますが、正直なところ本当に仕事に繋がる確率は1%あればいい方です。

つまり、100人の方と名刺交換をすれば、99人の方の名刺は「ムダ」になってしまうという場合がほとんどです。

ましてや、知的財産のライセンスのように相手から多額のロイヤリティをいただくような場合は、更にこの確率は下がってしまうことは目に見えています。

実際、私が会社で知的財産の仕事をしている中で、外部の発明者や企業から「社外提案」という形でアイデアの持ち込み・売込を受けることは多々ありましたが採用したことは1件もありませんでした。

ライセンスを受ける側にとっては、(特に大企業の場合)ライセンスを受けるメリットより、ライセンスを受けることによるリスクを優先的に考えるのが常です。

「そもそもこれって、内の会社で手掛けることじゃない」

「コストが合わないのでは?」

「もし売れなかったらどうするのか?」

「もしクレームが来たらどう対応するのか?」

「社内で開発できる方がいいのではないのか?」

等々、リスクを多く並べて結局不採用になる場合が大半です。

では、知的財産を保有している方はライセンス先を探すためにはどうすればいいのか?

その答えは、

「このライセンスを受けていただき、最大限のメリットを生み出せる会社(人)」は誰なのか?を徹底的に考え、具体化する」ことに尽きます。

前回、「ライセンスをする相手先を視点を変えて考えてみる」と申し上げましたが、それも、この「相手先の具体像を徹底的に作りこんだ」うえで考え直してみる必要があるのです。

例えば、

・会社の業種・規模

・会社での悩み事・将来ビジョン

・経営者の年齢・性別・趣味・家族構成・特技等々

というような視点で絞り込むことも必要でしょう。

これを徹底的に行い、相手先を絞り込み、相手先にとってリスクになることをどうやって解消するかを理論武装し、相手先が参加しそうな会合に参加したり、交流会に行く。或いは直接アプローチする。

こうすれば、やみくもに名刺交換をするよりも間違いなくライセンス先を見つける確率は上がります。

非常に大変かと思いますが、必ずやるべきことです。

一度考えてみてください。

御社は、想定される相手先を徹底的に具体化していますか?

 

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