「チェーン経営で稼ぐ中期戦略を描くために!」
弊社は12月決算をとっておりまして、毎年1月になると、新年度となって新たな気持ちで取り組みを始められるのでそのようにしております。
なぜ12月?とよく聴かれるのですが、理由は「前職の西友が12月決算で会社運営がやりやすかったから」ということにあります。
西友も元々は2月決算であったのですが、ウォルマートとの提携後その決算にあわせ、12月へと変ったのです。
最初は「なぜ、12月の繁忙期にやらなきゃいけないんだ」とか「売上が最も高い12月売上に影響する」とか「残業が増える」とかいった反対意見が噴出しましたが、そもそも、決算は本部業務が中心なので、売上を稼ぐ店舗には殆ど影響がありません。
面白いことに、慣れてしまうと、商売の流れが掴みやすく新たに一から始まるという特別な気持ちが働いて、皆が期日どおりに仕事をするようになります。
最も効果が高かったのは、決算期変更に伴い、新年度の予算が期日どおりに決まるきっかけとなったことです。
以前は新しい期がスタートしても、予算が確定されず、店舗に連絡がくるのが3ヵ月後というお粗末な状態でした。
年間の四分の一は予算なしで店舗は営業していたのですから、これで年間予算が達成できたら笑ってしまいます。
一体どこの誰が予算を決めているのか?どこで止まっているのか?本部に対する大きな不信感はまたまた広がっていったのです。
せっかく新しい仕組みをウォルマートが導入しても、本部が変らない限り何も変らないとがっかりしたのを憶えております。
数年後に、私は店舗統括を担当するようになり、この原因を調べていくと、遅れる理由がようやく見えてきました。
各主管部の役割は予算と、その執行プランを決めることですが、中でも店舗運営本部の役割は会社の最大経費である人件費を決めることです。
この執行プランをウォルマート本部に説明ができていなかったのが最大の理由であったのです。
本部でやるべきことと、店舗でやるべきそれぞれの役割を明確にしておきませんと、本部は単なる予算の割り振り係となってしまいます。
個店与件を踏まえながら、全社的にどう変えるかかというのは、実務経験と創造力がモノを言います。
仮説を立てるためには、半年前から調査実験を行い、効果施策を予め用意しておかなければ達成プロセスなどできるわけがありません。
この戦略がなかったために、予算決定が遅れていたわけです。
半年前から進めていくことにより、クリスマスには予算は出来上がり、年内に全店舗提示が完了していきました。
その年を境に1月1日から新年度予算の執行となり、幸運なことにも次年度以降は黒字転換し、その後の増益基調はゆるぎないものとなってることを本当に嬉しくおもいます。
弊社も毎年6月になると、次年度施策にとりかかり、10月にはその試験結果を終わらせ1月にはスタートするしくみにしております。
20年以上成長しつづけているグローバルチェーンで、こういったことにひたすら関わってきたことが、どんな状況下でも数年後へ向けてた動きが体に染み付いているようであります。
「数年後に儲かってる小売りのカタチをつくる」には岐路に立ち、いくつもの道を選んでいかねばなりません。その道筋を指し示すためにも、私共も新規施策の投入を図り一層の研きをかけていきます。
2016年も皆様にとって輝かしい年でありますことを願っております
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