組織戦略において外せないポイント
会社として、利益が伸び、安定成長する。
社員にも、安心して長く働いてもらい、成長を実感でき、やりがいのある職場を作る・・・。
これは、多くの社長の願いでしょう。
どうすれば、そんな会社にすることができるのか?
今回は、その「会社」とはどのようなものかということと、その会社にするための組織戦略のポイントをお話していきます。
- 会社は人の集まりである
会社の本質とは、何でしょうか。
中小企業であれば、会社の中心は、経営者かも知れませんが、それがイコール会社ではありません。
会社が大切にしている経営理念が会社なのか?
というとそれも違いますね。
会社とは、その会社で働く人そのもの。
いわば、そこで働く一人一人が、「会社」であり、会社とはその人達の集まりです。
しかし、その集まりが、ただの人の「集団」か、理念と目的を共有した「組織」か、ということを考えなければなりません。
そして、経営理念と、会社の目的を社員と共有する組織とは、
「経営者は、良い志をもち、良い目的を達成するための戦略を持ち、それを実行する戦術を、正しく実行できる戦力である人と仕組みを合わせた体制(これが即ち「組織」。)を作っている」といえます。
- 組織戦略を考える
少なくとも、10年以上経営している会社においては、未来のビジョンを描き、それを実現する戦略と、戦術くらいは構築している(一応)ケースがほとんどですが、
では、この戦略と戦術を実行し、未来ビジョンを実現するにはどのような組織を構築すべきか?・・・実は、ここがあやふやとなっているケースが多いのです。
その場合、ぜひ、時間をとって、未来ビジョンを実現するまでの組織の姿(部署機能、ポジション、人員数など)を具体的かつ詳細にイメージし、未来の組織図を描いてみましょう。
実際に、大きな紙に線を引いて、「名前を入れ込むこと」がポイントです。
そこから逆算して、必要なものを持ってくる、投資する。
それを具体化するのです。
例えば、数年後の組織に向けて、今から人を育てられる人材を○○名育成する、そのための人材育成投資、教育の機会を提供する、といったこと。
組織戦略においては「人」の成長を計画の中にいかに組み込みむかが重要なポイントとなります。
なぜかというと、経営資源(人・モノ・カネ)の中でも、モノ・カネは制約がある「有限資源」であるのに対して、人は唯一無限の成長可能性を持つ「無限資源」であるからです。
計画を組むということは、今いる人の成長が、組織戦略に沿って「期日どおりに成長する」ことが必要で、人が育ち、経営計画を実行した結果、年次でどのくらいのキャッシュを確保し、それを何に投資していくのか、という観点からも検証し具体化していきます。
例えば、計画に対してどう考えても人数が足りなければ採用を今から行い、何年かけてどのくらいのレベルに育てるのかという計画を作るのです。
どの部署に配置し、どのレベルに育てる「人材育成の仕組み」を構築するのか、(ジョブローテーションをどう組むのか、誰が育成するのか、どのように成長を測るか、など)、具体化していきます。
また、今のビジネスモデルが成熟~衰退段階に位置している場合は、衰退分野の事業から成長分野の事業へシフトする段階で新しい設備投資が必要になるかもしれないし、外部との戦略的なアライアンスが必要になるかもしれない。
これら想定される課題に応えるべく、設備投資や、採用、教育投資の資本配分を中長期的視点で設定していきます。
- 人の成長する環境へ
「人の成長を経営計画に織り込むなんて、そんな不確実なことは難しいのでは」とお考えの方も、ひょっとしたらいるかもしれませんね。
人の成長は、確かに不確実です。
- 不平不満から、すぐに辞める(と言い出す。)
- 営業の仕事は向いていないから、部署を移りたいと言う。
- 自分の人生を考えて、転職(ヘッドハンティング)
などの、可能性はいくらもあります。
予測するのは難しいのですが、こういう問題が発生する根っこはある程度限定されます。
それは、
- 給与
- やりがい、働きがい、誇り
- 快適な職場環境(人間関係含む)
- 希望
といったものです。
ここから考えていくと、辞めると言いださないような快適な職場環境の整備や、やりがい・待遇、を最優先で改善する会社になるということが大切だということです。
「お金がないから、環境整備や待遇改善はできない」すると、「社員の不満が出てきて職場の雰囲気、仕事に取り組む姿勢が劣化、顧客の満足も下がり、利益も減る」という悪循環、またはその懸念に悩んでいる社長が多いと思います。
しかし、そのような堂々巡りをする前に、お金のかからないことから着手すればいい。
それは、少々きついこともあっても、簡単には辞めたくないようなやりがいのある仕事だと、貴社の事業の意味を見いだすことです。
「会社が行っている事業が社会にどんな貢献を果たしているか」、
「それによってどれだけ顧客が喜んでいるか」、その感動を共有することが大切です。
「これだけお客様から喜ばれ、選ばれている」事実。
会社の仕事に誇りを持ち、この事業でもっと世の中に貢献しようと、将来に向けての希望を社長が語り、社員に希望を与えること。
このような努力を浸透するまで続けるとともに、自分が伝えなくても浸透していくように「仕組み」を社長は作りましょう。
将来の希望、やりがい、働きがい、快適な職場環境が揃って来れば、社員の仕事の質は高まり、利益は後から付いてくるというものです。
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