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技術を継承する方法

SPECIAL

メーカー専門の技術戦略コンサルタント

株式会社 ものづくり戦略研究所

代表取締役 

メーカー専門の技術戦略コンサルタント。装置を見るだけで、性能から不具合、余力まで判る事から、「装置のお医者さん」と称される。経営トップ層と設計・生産の現場を繋いで、儲かるものづくり、売れる製品開発を指導。

教育私の専門は技術ですから、「 技術の継承に困っています。」というご相談を多く受けます。

しばらく聞いていると、「 意図した通りの実績が出て来ない。」という事で「 教育が必要。」となり、大抵、技術教育は社内で行われます。

ところで、そもそも教育担当者は、どのようにして成長したのでしょう。
「  できる人  」と評価される人の殆どは、実は教育されていないのではありませんか?自ら行動を起こし、悩みながら、自己成長に努力をしてきた人ではないでしょうか。


社会で求められている能力とは

学校教育は、与えられた課題に対する解を、正確に、早く導き出す方法を教えますが、社会で求められているものは、解の無い問題に対して、解を探し続ける能力です。

社会では、課題を見つけられた時点で、ほとんどの問題は解決しています。
つまり、何が問題なのかを、諦める事なく問い続ける能力が求められているのです。

社会に必要なのは、問題解決能力ではなく、問題発見能力です。

「  三人依れば、文殊の智恵  」
という言葉がありますが、社内の全員が同じ能力を持つ必要は有りません。

しかし、どこの企業でも、同じ能力を均等に育てる教育方法を考えるのは、学校教育以外の教育方法を知らないからでしょう。

大抵の場合、自ら行動を始めたきっかけは、「 何かしらの壁にぶつかった。」という経験から来るものだと思います。

人に何かを言われて、悔しい思いをしたかも知れません。
人に理解をしてもらえず、淋しい思いをしてきたかも知れません。
自分が何とかしなければ!!と言う、責任感から来るものかも知れません。

何れにしても、楽しかった経験から来るものよりも、苦しかった経験から来る方が多いのではないでしょうか。


出来る人の正体とは

周囲にいる「 出来る人 」を思い浮かべてみて下さい。

その人は、今までの経験の中で、何かに傷ついた事がきっかけで、何かに気付き。それを、「 築き 」に変えてきた人ではないでしょうか。

 傷つく → 気付く → 築く

のサイクルを持つ人を、「 出来る人 」と呼んでいませんか?

お勉強が出来る人は「 頭の良い人 」とは呼ばれても、「 出来る人 」は別の意味を指していませんか?

 頭が良い人 → 物理的な要素が優れている人
  できる人  → 機能的な要素が優れている人

そもそも技術とは、

 手で支えている術(すべ)

と、書きます。

身体を使わないで成長する事は出来ないのです。

人それぞれ考え癖や行動パターンが異なりますから、

 気付く → 築く

という人も要れば、

 築く → 気付く

という人もいるでしょう。

何れにしても、

 ● 気付く → 頭
  ● 築く  → 体験

の両方の要素が必要なのです。

「 築き 」のプロセス構築方法

「 築き 」のプロセスを個人の中に構築するには、社員数が多い程に困難を生じます。しかも、育てた社員は何時か居なくなりますし、次の世代を教育し続ける負担は永久に続きます。

ところが、築きのプロセス構築を、個人対象から企業対象に「 仕組み 」という形にするだけで、簡単に結果を残せるようになります。

社員1人1人の教育も必要ですが、個人の能力を企業の能力へとする方が簡単なのはもちろん、取組み自体が資産になります。

 個人の能力依存から、社内の仕組み構築へ

と、努力する方が、結果が早く確実に積みあがり、永きにわたって成果を回収出来ると思いませんか?

「 経験 」という形が無いものは、「 仕組み 」という形の中に宿ります。

 ● 組織
  ● プロセス
  ● 規則

などは、形を整えた仕組みです。形が伴わない教育では、結果は積み上がりません。結果を残せる器が無いのです。

「 形を整える事が如何に必要か。」を知る事が、教育システムを構築する第一歩です。

 

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