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ーダーの教科書

SPECIAL

親子経営コンサルタント

ビジネス・イノベーション・サービス株式会社

代表取締役 

オーナー社長と後継者のための、「親子経営」を指導するコンサルタント。みずから100億円企業を築くも、同族企業ならではの難しさや舵取りの大変さで苦しんだ実体験を指導。親から子へ失敗しない経営継承の極意として「親子経営」を伝授する。

リーダーの教科書

 私は26才から40才まで、地元の(社)淡路青年会議所に所属していた。いわゆるJCと呼ばれることが多い団体だ。地域の零細から中堅企業、なかには上場している大企業の2代目、3代目、今ならそれ以上の経営者、後継者の集まりである。

 目的は社会開発事業と称した地域のための諸活動を行い、活動を通じメンバー各自の資質の向上を図ることにある。世間の評価、評判には賛否織り交ぜいろいろとあることは承知している。

 参加しているメンバーの多くは日々忙しい仕事をこなし乍ら、至って真面目に真摯に青年会議所活動に取り組んでいる。なかには私のように仕事をほっぱらかし青年会議所活動に猛進してしまう輩も稀にいる。

 現在、私の顧問先のなかには地元の青年会議所に入会している後継者がいれば、これから入ろうかどうか悩んでいる後継者もいる。私は仕事に支障をきたさない範囲であればぜひ入会すればいいと申し上げている。

 それには確かな理由がひとつある。私自身の15年間の青年会議所での経験からいえば、リーダーシップを学ぶ最適な場であると確信しているからだ。とにかく、否が応でもリーダーシップを鍛えられることになる。

 先ほど記したように、メンバーは規模は違うが地元企業の主に2代目、3代目後継者の集まりである。日本でも有名な企業があれば、地元では街を牛耳るような企業もあり、また、独りでやっている個人事業主までいたりする。

 要は、メンバーのバックボーンはまさにいろいろなのだ。そして当然のことながらメンバーひとりひとりは一癖二癖は勿論、我儘、気ままな輩がたくさんいる。そんなメンバーのなかで委員長、副理事長、理事長などのポジションをこなしながらリーダーシップを磨くことになる。

 毎年、新しい人事により、新しい組織をつくり、新しい事業を行っている。メンバーの選挙で選ばれるのは理事長だけ。他の役員等は選ばれた理事長が中心となり選んでいく。新しい人事組織案、事業案を総会で決議することになる。

 私が青年会議所現役当時、不思議に思っていたことがある。それは毎年毎年、同じ青年会議所なのに何かが昨年と必ず違うと感じることだ。卒業メンバー、新入メンバーは毎年何人かはいるけれどほとんどは同じメンバーが活動しているのになぜか何かが違うのだ。

 毎年、組織、人事が刷新されているので当然といえばそうなのだろう。ただそれだけでなく、もっとそれ以外に原因があるのではないかと考えていた。あるときそうかと気が付いた。それは理事長という組織のトップが代わることでメンバーの感情、気持ち、気分といったものが大きく変化しているということだ。

 今年の事業が上手くいった、いかなかったといった話ではなく、今年のJCは去年と違うムード、雰囲気で活気がある、ないなどといった話だ。組織はトップが代わるとこれほど違うものなのかと驚く経験が何度もあった。

 14年前から私は親子経営コンサルタントを名乗り、親子経営企業の経営者と後継者への支援を生業としている。親から子への事業承継をスムーズに行うためのアドバイスをしたり、後継者の育成、指導等をさせてもらっている。

 もう10 年近く前になるのだが、初めて中国古典『大学』を読む機会があった。短いものなので何度か繰り返し読んでみた。そのときの驚きと衝撃は大きなものだった。こんな本があったのか。なぜもっと早く出会ってなかったのかと悔やまれた。

 人の上に立つすべての人が読まねばならぬ必読本だと確信した。人の上に立つ、政治家、官僚、経営者などすべてのビジネスリーダーに是非読んでもらいたいと心底思った。『論語』『孫子』をはじめ多くの中国古典がビジネス書として書かれている。

 残念ながら『大学』をビジネス書として書かれた本が見当たらなかった。それなら自分で書くしかないかと出版したのが『親子経営 中国古典「大学」から学ぶ32の成功法則』(セルバ出版)だ。

 『大学』では人の上に立つ立ち方を教えてくれている。それ以上でもそれ以下でもなく要旨は明瞭である。それは「修己治人」に尽きる。人の上に立つ者は人の上に立つ前に、己を修める必要があり、それができた者がはじめて人を治めることができるということだ。

 昨今の日本の政治家を思い浮かべてみて欲しい。人の上に立つ者としてふさわしいかどうか。国民の上に立つ者としてのこの自覚があるかどうか。自らを律し修養に努めてこられた人物かどうか。

 人の上に立つ者にこの自覚と覚悟がなければ組織が壊れてしまう。まさに砂上の楼閣となる。政治家のみならず企業のトップの責任は重い。組織が大きければ大きいほど混乱が大きく迷惑をかけることになる。

 中国古典『大学』こそが真の『リーダーの教科書』だと思う。今後、ブログのなかで『大学』を出典とし、リーダーの心得、心構えなどいくつか書いてみたいと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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