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親子経営 繁盛と繁栄の秘策 父親がしてはならない7つのこと⑦

SPECIAL

親子経営コンサルタント

ビジネス・イノベーション・サービス株式会社

代表取締役 

オーナー社長と後継者のための、「親子経営」を指導するコンサルタント。みずから100億円企業を築くも、同族企業ならではの難しさや舵取りの大変さで苦しんだ実体験を指導。親から子へ失敗しない経営継承の極意として「親子経営」を伝授する。

プレゼンテーション1

家を斉(ととの)える

企業経営者にとって家庭の存在は大きいものです。経営者の家庭の在り方が会社の在り方に大きな影響を与えます。そういう意味では、経営者の家庭の乱れが会社を乱すことになります。経営者たる者、まず家庭をよく治める必要があります。

昨今の企業不祥事の原因の多くがいわゆる「お家騒動」であることからも、経営者が家庭を上手く治めることが如何に大切であるかが分かります。言うなれば企業不祥事の原因が経営者の家庭に有るということです。

中国古典経書「大学」より一節、「謂わゆるその家を斉(ととの)うるはその身を修むるに在り」とあります。私なりに読み解きますと「家庭をしっかりと治めるにはまず父親自身が自らを慎み律し修養に努めることが必要です。」と、なります。

経営者である父親が経営者である以前に父親であることを自覚することは意外と難しいことです。私自身も経験がありますが、若いときはなおさらのことですが家庭や家族よりも仕事を優先しがちになります。

誰しも若いときは血気にはやり自分の夢や仕事に没入してしまいます。親と子供の面倒を妻に押し付け朝から夜遅くまで仕事をします。休日と平日の区別がなく、たまの休みには取引先とのゴルフが入ったりします。

ややもすると父親としての役割と責任を仕事をすることで果たしていると思っていたりします。そんな日々の積み重ねが家庭での父親としての在り方と家族それぞれとの関係性を決定づけています。

このコラムで何度か取り上げましたロッテと大塚家具の「お家騒動」を見ても然り、経営者である父親が彼らの家庭を上手く治めていたとは到底想像が出来ません。夫婦の関係性、親子の関係性そして兄弟姉妹の関係性がどのようであったのかが窺われます。

もうひとつ「大学」の一節から、「天子より以て庶人に至るまで、壱に是れ皆身を修るを以て本と為す。その本乱れて末治まる者は否ず。」と、あります。私なりに読み解きます。

「天子から庶民に至るまですべてのひとにとって、自分の人生において自分をよく修めることがすべての根本となります。その根本である自分自身が乱れては家や会社が上手くいくはずがありません。」と、いうことでしょうか。

経営者である前に父親である自分自身を見つめてみます。ひとりの人間として自らの人生を思い返してみます。自省を繰り返すことで身を修める一助にします。そう意識し始めたことで父親として家族との関係性に変化が現れます。

経営者としての立場など人生にとって大した問題ではありません。たまたま何かの縁があってまた機会があって経営者としてあるにすぎません。それ以前に父親としての立場の方が余程重要で大切なことです。

父親が自分の人生の主導者が自分であるという自覚のもとに修養に努めるならば、家族のリーダーとして立派に家庭を治めることができます。そして自分の家庭を父親としてよく治めることができた経営者こそが会社を上手く治めることができるに違いありません。

 

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