【国内中小企業の生き残る道】~海外ビジネス成功へのショートカット!~

「目的を見つけよ、手段は後からついてくる」 。インド独立の父と言われるマハトマ・ガンディーが残した言葉です。昨今、海外へのビジネス展開を目指す中小企業がますます増えています。しかしながら、結果が出ずに当事務所へ相談に来られる企業も多々あります。そのような中小企業の経営者の方々には、「何のために、海外市場を目指すのか?」を明確化する重要性をお伝えしています。多くの経営者の方々は、「国内の同業他社との同質的な競争の結果、現在巻き込まれている(価格競争などの)消耗戦から脱したい」という本質的な目的を忘れているケースが多いのが実情。その目的を再認識していただくことからご支援を開始しています。
それでは、その目的を実現するための戦略とは、どのようなものなのでしょうか? まずは、ターゲット国に存在する【①業界リーダー企業(A社)を徹底的に調べること】です。調査する際に必要なのは、「A社が未着手なのは、どのビジネス領域なのか?」、「A社の強みが発揮できないビジネス領域は、どこなのか?」という視点です。
「自然界」においても、このことはあてはまります。決して強者ではないラクダ科の動物は、生活が困難な場所に暮らしています。例えば、ラクダは水分がほとんどない砂漠に、アルパカは酸素がほとんどない高地を敢えて選定して住んでいるのです。このような場所に暮らしているのは、砂漠や高地では自由に走り回れない天敵(肉食動物)がいないためです。海外ビジネスにおいても、天敵となる「業界リーダー企業」が手を出してこないビジネス領域への「棲み分け戦略」が極めて重要なのです。
戦略が決まった後にすべきことは【②ビジネススキームを構築すること】です。海外ビジネスと国内ビジネスとの大きな相違点は、3つあります。まず1つ目は「決済の視点」。売掛金を回収できなければ、何のためにビジネスをしているのか?分かりません。確実に回収が可能な条件設定をしたたかに行なう必要があります。次に2つ目は、「物流の視点」。国を跨ぐモノやサービスの移動に伴い、独特の配送手段や税負担の取り決めに対する理解が必要です。そして3つ目は、「商流の視点」。言語や商習慣の異なる相手企業との取引ですので、海外ビジネスに合致した契約書の締結が極めて重要になります。これらの3つの視点を同時に満たす「ビジネススキームの構築」なしに、実務先行で海外ビジネスに着手すると必ず相手企業との間に揉め事が生じます。それを事前に回避可能なスキームを構築することで、無駄な時間やお金を大幅に節約できるのです。
ビジネススキームが決まった後に最も重要なステージが待っています。それは【③販路を構築すること】です。「戦略」や「ビジネススキーム」がいくら立派なものであっても、自社製品(商品・サービス)を購入してくれ、ターゲット国で販売してくれる相手がいなければ何にもなりません。国内の中小企業の中には「よい製品があれば自然に売れる」という神話を信じておられる経営者の方々が未だに多くおられます。当方の長年に亘る海外ビジネス支援の経験上、それは「間違いである」と断言できます。また、(大手企業ではなく)経営資源が不充分な中小企業において、「自前主義」で現地販路を開拓することは極めて難しいことです。この高いハードルである「現地販路構築」を乗り越えるためには、ターゲット国の市場や商習慣に精通した現地企業をパートナーとして活用するしかありません。当事務所でご支援する際には敢えて「完全な同業企業ではなく、『最終顧客は同じだが、取扱製品が異なる【異業種企業】』を選定して、商談設定をお手伝いしています。これにより、商談の相手企業との間にWin-Winの関係を前提とした交渉が可能となり、商談の成約率も飛躍的に上昇しているのが実情です。
国内の中小企業が海外ビジネスを成功させるための秘訣は、まずガンディーが残した言葉のように【目的】を再認識すること。そして、その【目的】である「同質的競争による消耗戦から脱する」ために、3つの【手段】(①業界リーダー企業の徹底的調査・②最適なビジネススキームの構築・③安定した販路の構築)を着実に実施することなのです。
新年度を迎える4月。「海外ビジネス成功へのショートカット」を歩んでみては如何でしょうか?
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