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第478号 ズレた考えのNo2がいる組織ーダーが見るべき点とは?

SPECIAL

チェーン企業のマネジメントの仕組み構築コンサルタント

株式会社ピアーズ

代表取締役 

マネジメントの仕組み構築のスペシャリスト。
これまで20年以上チェーン事業に身を置き、実際に15の組織のリーダーを務め、200以上の経営に関わり売上、利益を上げてきた経験を持つ。チェーン事業の売上が兆単位の企業や創業40年以上の歴史を持つ企業にさえマネジメント面の仕組みが1つも存在していない事に疑問を持ったことから、チェーン事業に共通するマネジメント面の仕組み構築方法を体系化。その効果は大きく、マネジメントの半ば自動化と質の向上により、クライアント企業は利益2~3倍増、業種によっては仕組み実装の初月から数値を跳ね上げさせる指導を展開している。

第478号 ズレた考えのNo2がいる組織。リーダーが見るべき点とは?

 「一番わかっていないの君だから」

 「何でわかってる側から話してるの?」と思ってましたから。

ある社長が会社のNo2についておっしゃいました。

 

 

組織のリーダーに次ぐ重要なポストにいる人なのに、リーダーと考え方がズレている。

 

「そんなコトあるの?」と疑問を持たれそうなケースですが、珍しいことではありません。
店舗型のビジネスにおいて、同じような課題を抱えている社長もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

No2ですから、社長の分身と言われるほど考え方は一致していてほしいところです。

 

たとえ社長が長期間不在となってしまったが、あの人が頑張ってくれたから会社を正常に回すことができた。

そんな期待にも応えられる頼もしい存在だと組織は伸びていきますが、

逆に組織のNo2がリーダーと考えが違っていますと、成長は停滞します。

 

ある組織では

 「No2の◯◯さんがそんなに気合入れなくてもいいと言ってたんだから、そのくらいでいいんじゃないの」

といった意識が常態化していました。

 

これでは、いくらリーダーが新たな政策を力強く発信しても士気が上がっていきません。

 

リーダーだけが熱く、皆が冷めている。

いつも温度差がある組織となってしまっています。

 

また、ある組織では

 「◯◯さんからはダメとは言われなかった」

 「え? そうなの? じゃあやっていいんだ」

となり、禁止事項が勝手に解禁されていました。

 

せっかくリーダーが長い年月をかけて築き上げてきた組織のイメージが短期間で崩壊したのです。

その後は、いくら奮闘しても組織特有の強みを伸ばしていくことができなくなってしまいました。

 

 

では、もし自分の組織のNo2の考えがズレてしまっていたら?

 

考えたくは無いものですが、

 「組織のリーダーとして、常に最悪の事態を想定しておき、手をうっておく」

重要なことではないでしょうか?

 

対応策として1つ挙げるとすれば「No2と直接話す」

 

こう書きますと「伊東さん、何を当たり前のことを」と言われそうですが、これはそう簡単にできることではありません。

 

下手すると

 ・「あのリーダーにはついていけない」

 ・「私達はNo2側につきます」

 ・もしくはNo2が去っていってしまう

など、組織の分裂や崩壊が待っているからです。

 

その後、リーダー自身がどうなるのか?

 

その1つにあるのは

 「寝れなくなるほど忙しくなる」

 

もしかしたらそんな結末を迎えてしまうかもしれない、と予感しているのであればなかなか行動には移せないものではないでしょうか?

 

それでも中には

 「いや、それでも私はやってやる」

 「No2を変えるんだ」

と躊躇なく行動に移せる方もいらっしゃいますが、そんな人は稀です。

まずいらっしゃいません。

 

 

では実際にNo2の考えがズレている組織のリーダー達は一体どうしているのか?と言いますと

 「何かある度に、No2に遠まわしに注意する」

 

この方法は本人に直接注意しているわけではありませんから、大きなリスクにはまず直結しません。

チクチク言い続けても、組織がいきなり分裂、崩壊するわけではありません。

No2が離反し、ある日から急にリーダーが寝れなくなるほど忙しくなってしまった、ということも避けられる安全な一手といえます。

 

しかし、果たしてこの方法は効果がある選択肢と言えるのでしょうか?

 

 

上記の2択しか無いわけではありませんが、現実には

 ・何かある度にNo2には遠回しに注意している。だけど効果が無い

 ・だからといって直接注意してうまくいかなかったら、とんでもないことになりかねない

  「さてどうしたものか・・・?」

そんな葛藤を抱えたままというリーダーは多いです。

 

 

ここで私がお伝えしたいことがあります。

 

それは

 リーダーは、リーダーにしかできない事に背を向けてはならない

 

 

また「何を当たり前のことを」と言われる所かもしれません。

しかし、これは当たり前の事ではあるかもしれませんが、実際にできているか?と言いますとそうなってはいません。

 

例えば

 ・クレームが殺到しているのに、責任者が対応しようとしない

など。

 

または

 ・価格決定、仕入れる数、契約を交わすかどうか? 大事な判断をメンバーに任せていたり

 ・組織全体の問題が明るみに出たのに、トップは雲隠れしているなど

 

リーダーがリーダーにしかできないことをするのが当たり前であるならば、このような問題は発生していません。 

ところが現実はそのような事をよく目に、耳に、もしくは実際に体感した、今まさに体感してしまっている、という方は多いです。

 

厳しいことを言いますが、リーダーがリーダーしかできないことをしないということは、その人がリーダーである必要がありません。

 

それは

 ・戦乱の世で言えば、いつも第一線に出ようとしない臆病な将軍と同じです

 ・スポーツチームで言えば、逆転されたのにその後の展開を選手任せにして、ただ難しい顔をしている監督

 ・店舗で言えば、大問題が起きているのに店長が居ないまま、手を打たない、スタッフ任せにしている

と同じことです。
 

 

 リーダーは、リーダーにしかできない事に背を向けてはならない

 

これは当たり前のようで、とても難しいことです。

もし実行してうまくいかなかったら、とんでもない事態になるかもしれません。

 

しかし、一つ確実に言えることがあります。

 

それは

 「リーダーにしかできないことから逃げないリーダーには、ついていきたいと願う人が増えていく」

です。

 

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