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井の中の蛙大海を知らず

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

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「最近は、規模や地域に関わらず海外進出を考える企業が増えましたよね。これからのグローバルニーズに対応するためには、もっとマーケットの変化を迅速に捉えて行かなければならないと思うのですが。しかし、うちの社長は今まで通りの付き合いややり方を守って行けば良いんだと言い張って、なかなか聞く耳を持ってくれなくて・・・」

大学を卒業されてから全国を転勤して歩き、その後本社でバリバリ働く大手企業のエリート管理職という立場を捨て、3年前に実家の日本酒製造会社を継ぐために帰って来た息子さんからのご相談です。

さすがは元大手のエリート社員さん、きちんと理屈が通っていらっしゃいます。しかし、小さな製造会社にはその立派な理屈が全く通用せず、肩書きは「専務」であっても、現実は第一線で現場の営業を取り仕切る身分にあっては、日々の売上がとにかく最優先。明けても暮れても飲食店や小売店を歩いて稼ぐ営業マンなのだそうです。

時代の大きな流れに置いて行かれる危機感と、日々の売上に追われる目先の業務。どちらが優先かと言えば、経営者としては前者、事業部長であれば後者でしょうか。最近は先ほどのようなご相談に加えて、逆に2代目・3代目の若手経営者が現状維持で安心し切っているぬるま湯状態・・・というお悩みも増えて来ています。

事業承継の難しさは今も昔も変わりませんが、最近の周囲を取り巻く環境変化のスピードは少し様子が違うように思います。今まで知らなくても済んだことや、これまで通りで何とか出来ていたことも、もしかしたらこれから先は通用しなくなるのかもしれません。ひょっとすると明日の朝起きるとそこには全く別の世界が広がっているかもしれません。

かつて、ドライブは格好の腕の見せどころだった男性陣にも「自動運転システム」という強敵が登場する時代になり、昔、受験生だった頃に持ち歩いた何冊もの分厚い辞典は、手のひらに収まる小さな機械に取って代わり、「辞典を引く」は「ググる」という言葉に代わってしまいました。街には、「食」をテーマにした雑貨や食品も買える本屋さんや、体験型のテーマパークや高級なショールームとコラボした一風変わったホテルが人気を集めたりしているようです。

弊社にご相談にいらっしゃる経営者の多くは、これまでのやり方を維持したままで何とか売上を上げたい、単価を上げたいとお考えの方が多いのですが、選択肢が大きく増えた顧客にとっては、変化に対応しない取引相手は単価交渉の対象となりやすいのです。今の手法を180度転換する必要はありませんが、せめて3歩先の自社の未来はリアルに描くことができていなければなりません。

その昔、小さな井戸の中に住む蛙には海の話しをしても通じなかったのだとか。経営者の皆さま、変化にのまれる業界は隣りの井戸だと思っていませんか?

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