第471号 複数の店舗を見れる店長を増やしていきたい社長が抑えるべき視点とは?
「伊東さん、複数の店舗を見れる店長を増やしていこうとする際、何か気をつける点はありますか?」
ある社長がおっしゃいました。
その理由は、社長指揮のもとで進めていたもののうまくいかず、何か見落としている点があるのでは?と感じたから。
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まず私が確認したのは、社長がどういった手をうったのか?
そこには、きっと社長が深く考え込まれたであろう策がいくつかあったのですが、大事なポイントが欠けていることが判りました。
実はこの見落としは、社長のみならず、多くの店舗型のビジネス企業にお見受けされることですので、今回はコラムでご紹介する形を取らせていただきました。
見落としとは
スタッフ達が店長の指示に従わなければならない要素が無い
です。
昔はどこも働きたい人で溢れていました。
今から40年以上前から会社を経営されている、ある社長がおっしゃいました。
「昔は求人広告を出したら、大変でした」
「1日に30軒以上の電話があったんですから」
今や求人広告を出しても無反応が当たり前。
そんな時代で会社を経営されている方々にとっては、信じられないことではないでしょうか?
当時はそんな背景もあってか、店舗で働くスタッフ達にはこんな感覚が根付いていたのです。
・どうしたら店長がもっと自分をシフトに入れてくれるのか?
・店長にクビにされないようにしないと
当時は、社長が特別な一手を打たずとも
「店長の指示には従わなければならない」
そんな要素が各店に存在していたのです。
しかし時代は変わり、今や働き手が少ない状態です。
コンプライアンスの遵守も重要視されてきています。
かつての「店長に従わなければならない理由」は、もはや存在していません。
店舗型のビジネスを拡大していきたい経営者にとって、大事な点はここなのです。
さて、もし貴方が店舗で働くスタッフだとして「従う理由が無い人」からこんな指示をされら、どう感じるでしょうか?
「あれは君がやっておいて」
「これは君の仕事でしょ」
「なんでこの仕事、誰もやってないの?」
「ここの掃除、誰がやったの?」
「なぜ君がやらないの?」
「あの人の教育係は君でしょ?」
お察しの通り、店舗型のビジネスにおいて
「スタッフ達が、店長に従わなければならない理由が無い」」
という状態は、とても危険な状態です。
あらゆる仕事が会社の求める
「ここまでやってね」
といったレベルまで徹底されることは少なく、
「このくらいで十分じゃないの?」
といった、個々の感覚で判断されてしまうからです。
さて、更にここで貴方に質問です。
もし貴方が店長だとしたら
・スタッフ達が求めるレベルまで、仕事を徹底してくれない
・シフトに穴も開いている
・会社からは次々に指示がとんでくる
・でもスタッフ達には指導力がある面を見せなければ
・だからといって、クビにできるわけでもない
・そもそもスタッフの気分を損ねてしまうと、もっとシフトに穴が空いてしまう
こんな状態だったらいかがでしょうか?
それでも貴方は店長として、会社の求める結果を出していけるでしょうか?
本来、店舗という組織のリーダーである店長が、スタッフを動かせない状態に陥っていますと、1店まわすだけで精一杯です。
いや、1店であっても本部が求める合格点以上にまわせるかどうかも怪しいところです。
とても「複数の店舗を同時に見れる店長」を増やしていくどころではありません。
つまり、店舗型のビジネス経営者が
「もっと店舗を増やしていきたい」
「複数点見れる店長を増やしていきたい」
とした時、大前提となるのが、人手不足の今の時代でも
スタッフ達は「店長の指示には従わなければならない」となるような要素を盛り込めているかどうか?
なのです。
ではそれを確立できると、どのように変わっていくのか?
それは
・店長の指示に従わなければならないから、スタッフ全員が本気を出す
・1つ1つの仕事が、会社の求めるレベルまで徹底されていく
・より良い結果を出すには?と、スタッフ達がお互いに影響しあう
・店長は全体を見れるようになり、戦略的な店舗運営が実現する
・やがて店長は手持ち無沙汰に
・「私はもう1店見れます」そんな意志が溢れる店長が生まれていく
別のある社長はおっしゃいました。
「そういえば、昔は店長という役職は皆にとって憧れでした」
「いつの間にか、そんな想いが社内から無くなっていたことに気が付きました。
企業のリーダーである社長。
店舗のリーダーである店長。
どんな組織であっても、リーダーが力強く組織を導いていく際には
「この人には従わなければならない」
もしくは
「この人についていきたい」
そんな要素が必要なのです。
それはただ役職を与えたり、肩書きを付けてあげたただけでは得ることができません。
社長が自ら工夫して、盛り込まなければならないのです。
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