コングロマリット戦略が中小企業の最重要戦略になる時代
サッチャー政権以降に始まった第二次グローバリズムは、1990年代以降、本格的に始まり、西側諸国では、グローバリズム、財政均衡主義、リベラリズムを標榜する新自由主義政権が続いて参りました。
これら新自由主義政権は、対立構造にあるリアリズム政党に対して、極右というレッテルを貼り、誰もが反論できない“あるべき論”を振りかざし、世界各国で格差社会や紛争を生み出してきました。
ところが、昨年以降、この新自由主義政権が勢力を失い、リアリズム政党が政治の表舞台に立つようになりました。
2024年、リベラリズム政権は、イギリス、オーストリア、ドイツ、フランス、アメリカで崩壊、もしくは交代しました。
今年に入りまして、カナダ、オーストリアでも同様の動きが出ています。
世界の大部分を占めます権威主義国家には、大きな変化の波は訪れておりませんが、イギリスのシンクタンク「経済ビジネス・リサーチ・センター」によりますと、トランプ政権の最終年、2028年には、中国がアメリカを追い抜きGDP世界第一位になるという予測が出ています。
日本では、国内上場企業の2024年3月期の純利益が3期連続で過去最高を更新する中、中小企業調査(2024年10月~12月)によりますと、中小企業の景況感は悪化しています。
大手企業の破格の初任給が話題になる中、中小企業の採用環境は、大企業とは全くの別世界です。
私は、今回の潮流の変化は、中長期的には、日本国内にも及び、中小企業にとってプラスに作用するのではと考えています。
しかし、短期的に申しますと、①トランプ政権の緊縮財政標榜で分かりますとおり、リアリズム政権の政策移行は、緩やかな移行手法をとること、②多くの中小企業は、長年のデフレで疲弊していることから、中小企業にとりまして厳しい経営環境を強いられるのではと考えております。
こうした中、日本の中小企業が、短期的困難を乗り越え、永続的繁栄を手にするためには、今までのように、単一ビジネスに頼るやり方では限界があるものと思われます。
複数のビジネスを同時に展開し、構造的に事業収益を高め合える仕組みを構築することこそ、日本の中小企業にとって重要だと思います。
今こそ、日本の中小企業は、中小企業ならではのコングロマリッド構築の重要性に目を向け、永続的繁栄を勝ち取ることを、ここに提言します。
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